蟲 2016-11-26 12:01:37 |
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>雪呼
___在れ、あまり美味くは無かったぞ。肉が少し臭いのだ、歯を立ててもぐにゃりと歯切れが悪くて……雪ちゃんには食わせられん(同じ蟲卵で有る事を肯定もしないが否定もしない、誤魔化しを見せられれば其処に同じであれば良いと願望として浮かぶ感情で事実が上塗りを見せ。深く、暗い、井戸の中をヒョコリと覗き込みながら猫を食った感想を述べ、"うぅむ"と渋る様な声色でおれでも満たされた食事を思い返し。上半身を落とさんばかりに覗き込んでいた井戸から体を上げれば持ち掛けられた取引に頭を傾げ、楽しい遊びでも提案された気持ちになり。ふは、と声を上げて笑うと歯並びの良い綺麗な歯が口を覗き「雪ちゃんは誰が邪魔と言う。__雪ちゃんの為なら一人も二人も俺の毒で仕留めてやろう」奉仕、と言う言葉が単純に何を意味するのかが解らず。それでも悪戯を含んだ口ぶりで有れば大方何かの取引だろうと想像を膨らませ、自分に出来る事は自らの毒と鋭い歯で命を奪う事。悪気なんて欠片もない、生きる為に魚を捌くのと同じ程度としか思わないのだから。桶が再び浮上してくるのを爛々と楽しそうな眼差しで見やりつつ、口にするのは物騒な返事。にーい、半月のように得意げな笑顔を浮かべたまま井戸に向けた目を彼女へ移動し「雪ちゃんは、砂乱と名をくれた。動けなくて退屈な蟲卵の俺に話を聞かせてくれた。俺は雪ちゃんの事が好きなのだ、雪ちゃんの為なら何でも消すぞ」そうなのだ、己は彼女に恩しか抱いていない。恨みも憎しみも無いのに、どうして嫌いになんぞなれようか。好きだから、喰ってしまいたい、体内に取り込みたいと邪な気持ちが無いと言えば嘘になるが今は気付かぬふりをして。喋れば喉に絡む違和感をぺっぺっ、と一度吐き付けて)
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