蟲 2016-11-26 12:01:37 |
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>黒鈴
(蟲卵を拾ってから耳にした「蟲卵は願った姿で孵る」という噂話の一つ、真偽の確かめようは孵化を待つしかなかったがうら若い少女に殺されたいと願う気持ちがその噂話に縋らない手はなく。想像していた異形の孵化よりもだいぶ弱弱しく繊細に割れていく黒い卵から這い出る指先は思い描いた美しい白い肌、粘液こそ邪魔をするがそれがかえって夜の湖面のようにも見える艶やかな黒髪もまた思い描いたままの可憐な理想の少女、ひょっとすると自分の方が強いと思えるこんな少女に殺されるならばどれほどの苦痛が快感になるのだろうかと締めつけられる胸を押さえたその時、ふと違和感を覚えるとひくりと眉を顰め。「──ああ、そんな……」敷いた布団にドロドロと溢れる粘液、赤い瞳でもって額に異形の複眼を晒しながらも幼げな笑顔、白装束と長い黒髪を官能的に張りつけるその姿に直感したのは食事の合図への絶望ではなく例の噂話が偽物であった失望で。畳に染みを作りながら確実に捕食にかかる異形は確かに可憐だが少女ではなく女性、あんなにときめいた心臓もすっかり冷え切り胸を抑えた手はだらりと力なく鳥籠へ伸び「おあがり……どうか足らしてくれよ」進路を絶つように相手の目の前、胡坐をかいた自分の足元に鳥籠を置いて)
(/何度も読み返して確認した甲斐がありました…お褒めの言葉、ありがとうございます。推敲はしていますがだらだらした描写で読みにくく感じたらさくっと削って斜めに読んでください。一言しか喋っていないのに黒鈴さんの魅力にときめきが止まりません、可愛いです。これから、宜しくお願いします!
質問にも分かりやすくお答えいただきありがとうございます。一応の確認だったので不備などとんでもないです。思っていた通りで良かったです)
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