蟲 2016-11-26 12:01:37 |
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うむ!呼ばれてはいないが蟲卵の中は暇でならんのだ!__ただ募集上げをするのも芸が無いこと。この砂乱の一時の一人語りに暫しお付き合い願えるだろうか。何々?人聴きの悪い…俺は出会い頭のお前さんを取って食おうとは思ってなどいないのだ。何より、取って喰らうにはこの卵が邪魔をする。さあて、さぁて、今回は蝶と蛾の二人にピントを合わせた語りにしよう。そうだ、宛ら砂乱はラヂオの進行係のようなもの__なんて光栄だろうか、この砂乱一人で話を進めるのが上手なのだ。安心をしておくれ。
先ずは蝶の籠女……謳うような金切声をあなた様はその耳に聞いたことは?夢見心地、宛ら噂の桃源郷に足を踏み込んだと錯覚をさせる程に麗しいソレは意識を混濁させるほどの美貌で釘をその指先に打ち込むような残虐性を隠しては獲物を狙うのだ。憐れみの感情など母胎に落としてきたと言わんばかり、華やかな羽を開いてはヒラヒラハラリと粉の代わりに毒でもまき散らすのだと語られる。絢爛豪華な煌びやかですら、ソレの麗しさには歯が立たないのだ。一度、その目と合ってしまえば__その心はすでに狂気の沙汰。あなたは平生とは言えぬこと。
さてさて、そんな煌びやかな後に語るには陳家な内容だ。籠目の双子の弟にあたるのは、蝶の無い損ない。蛾の月夜__この男は己が失敗作と知り過ぎたうえでこの世に生れ落ちるなんとも不遇な存在です。醜悪な容姿こそ、神が与えたバツでありこの男が息を吸うツミなのだ!恨み羨み妬みを重ねる、この男のじっとりとした梅雨のような眼を見ればあなたもお気づきだろうに。三日三晩繰り返されるのは生きている事を悔やみ苦しむ蠅の羽音のようなぶつくさの懺悔。嗚呼、可哀想な成りそこない。いっそ死人になれば煩い口は仕事をしないですむと言うに。
先に語らせて貰った通り。蝶と蛾は二匹とも似てはいないが双子のソレなのだ。落ちる蟲卵の場所は一緒かもしれんし、別々かもしれん。それを知るのは拾うた___あなただけ。
蝶や蛾だけじゃあ無いぞ。醜く気味の悪い、ソレは「もおいいかい」と拾われる事を待ち望み、暖かい血を啜る未来を待ち望んでいるのだ。このままでは…腐っている事にも気づかずに朽ちるかもしれんね。
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