贄の子 2016-11-11 23:13:29 |
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――…胸糞わりぃ。
(昨夜は、相手の寂しそうな表情に髪を引かれながらも部屋に入りそのまま眠りにつき。ぽつりと目を開けてそんなことを零した翌日の朝。運が悪いのか、村にいた頃の記憶をそのまま夢で見てしまったようで。はっきりと鮮明に見ていたせいか、もとより白い肌がさらに青白くなっており、顔色が悪く。失礼しますと障子を開けて朝食の声をかけに来てくれた使用人が、大丈夫ですかと己を見つめ言うので、軽く笑って大丈夫だと受け流し。使用人が去ったあと、用意されていた着物らしきものに腕を通し。相手の顔を見ればこんな気持ちも晴れるだろうかと部屋を後にして。)
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