主 2016-10-15 17:52:35 ID:c42014d3d |
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>カラ、シルヴィア(ALL)
ッ、ぁ…な、かよくだなんて、下賤な生まれには勿体ないお言葉でございます。本来ならばその御手に触れて頂くことすら恐れ多いこと、どうかお嬢様の御手が穢れてしまう前にお離れ下さいませ。
(貴族とは人間としての質どころか生き物としての階級が違う、奴隷として海を渡りこの国のそんな絶対的格差を教えてくれたのは誰だっただろうか。幼い頃より考えるよりも体に染み付いてしまったその意識は将来への野心で一時の辛抱と内心で割り切っていたつもりでも決して消えてしまうことではなくて、頬に触れる上質な布地越しに感じる人の温かな体温に思わずゴーグルで覆われた海色の瞳を大きく見開いて。その場しのぎであっても一瞬を乗り切るために身につけた媚び諂いの言葉も途切れてしまうほどの衝撃と恐怖は暫しの間意識を支配されながら無意識下での行動か近場の体温に縋る様にカラの腰に回していた腕を少しだけきつくさせると拳を握りしめながら震えてしまいそうになるのを堪えて。少しの間動揺してしまったもののシルヴィアの言葉が単なる社交辞令に過ぎないことくらいこれまでの経験からも理解でき、そのことに思考を向けることが出来たお蔭で再び饒舌に言葉を連ねられるようになり。「私めも遅ればせながら、お察しの通り整備科に所属しておりますフランチェスカと申します。フランチェスカ、チェシー、それこそ褐色や下民でもどうぞお好きなようにお呼びつけくださいませ。」今更ながら自身もカラに続き自己紹介を、名前から卑下した呼称から果ては幼い頃の愛称まで、饒舌なのは普段道理にしても珍しく余計なことまで口にしてしまうことから未だ染みついた恐怖心が僅かに胸の中で燻り収まっていないことが窺えて。)
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