主 2015-11-27 00:14:51 |
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【リーマス】
(ごわごわとした堅い毛の感触、微かな鉄の匂いにゆっくりと瞼を押し開ける。確かに今そこにあったはずのもの、汗で張り付いたシャツと髪の毛の不快感も忘れ視線をさまよわせてようやく悪夢だと認識すれば、ようやく襲う汗の不快感。じくりと痛みが走るが、身体中の無数の、どの傷かは検討がついている。痛みを上から潰すよう、新たな痛みで上書きすべく、服の上から己の体についた最も古い大きな傷を引掻いて)
【グレイバック】
(家とは到底呼べぬボロ小屋、ガタガタと風が音を鳴らす窓越しに見えぬ月を眺め音に鳴らぬ口笛を。雲の合間より時折姿を表す月の灯りを浴びては、片手の酒瓶をぐびりと仰ぎ飲み。「どっかの馬鹿が、月を見て俺を思い出している」月とは己の全てである、存在する全てであると。空になった瓶を床へ転がし、再び隠れた月と共に闇に姿をくらまし音に鳴らぬ口笛を)
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