第二章 私の意味と価値 マスターは私に私専用の部屋を与えてくれた。 「ボーカロイドとはいえ女の子なのだからプライベートは大事だから」と言った。 私にはその意味がよく解らなかった。 なぜなら私は歌うために生まれたのだから、それ以外の時間の使い方を知らないのだ。 ログオフをして眠り、ログオンをして起きる。そうして歌を歌う。ただそれだけ、それしかできないのに。