巡音ルカ 2015-08-06 19:25:43 |
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私が甘えてくる猫を寂しげに微笑んでいると、ふと何かに気づいたように「ニャーン」と私の顔を見て鳴くと玄関の外へ向かっていき、そのまま立ち去っていた。
一人残された私は「さようなら」と呟き、玄関のドアを閉め鍵をかけた。
そのままリビングに戻りベランダに目をやると、外はもう夜の闇に染まり街の明かりが星のように輝いていた。
私は自室に戻りマスターに頂いた楽譜の歌詞を見つめ、声に出さず心の中で歌った。
マスターの顔を思い浮かべ、いとおしげに歌う。
それはまるで寂しさを紛らわすように、自分は一人でも大丈夫だと言い聞かせるように、マスターといるときの暖かな気持ちを思い浮かべながら朝がくるまで歌い続けた。
そして朝日が上り始めた。その頃にはもうすでに時計は6時を回り、小鳥の鳴き声が聞こえ始めていた。
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