巡音ルカ 2015-08-06 19:25:43 |
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「さっきのは本当にルカのせいじゃないんだ。僕は初めて歌を作ったんだけど、まだちゃんと音程やリズムが君にインストール出来ていなかったんだ。だからこれからゆっくり君と歌を作りたい。君と僕との歌を」マスターは優しい声で言ってくれた。
私は「私は《不良品》ではないのですか?私のこと破棄しないのですか?」おそるおそるマスターに聞いてみた。するとマスターは「何を言ってるんだ。僕は初めて君が僕の家に来たとき、目を開けてくれたとき、初めて声を聞いたとき、君が笑ってくれたとき、そして」少し焦ったようにしかし嬉しそうに言うと一呼吸置き、「そして僕の歌を歌ってくれたときとても嬉しかったんだ。それなのに破棄なんてするわけないだろ。君は《不良品》なんかじゃない」とマスターは優しくて暖かい声で私に言ってくれた。
私はさっき止まったばかりの涙がまた溢れてきた。しかしこの涙は悲しい涙ではない。嬉しくて溢れた涙だった。そしてドアの内側の鍵をはずし、ドアを開けた。
マスターは安心したかのような顔して「僕は君を泣かしてばかりだな。こんな頼りない僕だけど、どうか僕とともにいてくれるかい?」
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