巡音ルカ 2015-08-06 19:25:43 |
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思わず私はマスターの手を振り切り自室に飛び込んだ。そして急いで内側の鍵をかけた。
そのままドアに背を向け座り込み声を押し殺して泣いた。涙はなかなか止まらず、私の頬を伝った。
こんな歌をうまく歌えない私の事、マスターはきっとすぐ破棄してしまうだろう。せっかく私のために部屋も、衣装も、歌も用意してくれたのに。
マスターはさぞ残念に思っただろう。私のような《不良品》を買ってしまって。
そう思いながらようやく落ち着いてきた涙を拭うと、《コツン》とかたい物が手の甲にあたった。
ふっと鏡を見たら私の髪に付いていた髪飾りがキラリと輝いていた。
《ルカの髪と同じ、綺麗な色だ。僕はルカの髪、すごく好きだよ》
そう言ってくれたマスターの声が私の内に響いた。
《コン、コン》ドアをノックする音の後すぐに「ルカ、そのままでいいから少しだけ話を聞いてほしい」
マスターは落ち着いた声で続けた。
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