巡音ルカ 2015-08-06 19:25:43 |
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私の内側から音が溢れてくる。マスターが私のために作ってくれた歌。
私は歌った。マスターの思いに答えたくて、せい一杯の気持ちで。
なのに、どうしてだろうか。全然うまく歌えなかったのだ。
悲しくて、悔しくて、涙が出た。昨日とは違う涙だった。この涙はなぜ出たのだろう?
昨日とは違う感覚に私はまた戸惑う。心がきゅっと痛い。これが悲しいという事なのだろうか?
泣いている私にマスターは困った顔をしている。そんな顔させたかったわけじゃないのに。
そう思うとよけいに涙が溢れてくる。「すいません。マスターがせっかく作ってくれたのに、私うまく歌えなかった」泣きながら言う私に、マスターは「違う、違うよルカ。君は悪くない」そう言って困ったように笑う。
まただ、また私はマスターを困らせてしまった。私は《ボーカロイド》なのに、歌の歌えない私は何の意味があるのか。
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