_ 2015-07-01 17:17:14 |
通報 |
>23 [ 川澄 理玖 ]
(鉄の匂いだ。先程まで生きていた、されど今となっては肉の塊と化してしまったそれをただ見詰めながら宵闇に解ける様に路地の片隅で佇み息を吐いた。ぐるりと廻って白くなってしまった瞳と視線を交わせながらこぽこぽと傷口から溢れ出す赤の音をただ聞いていた。嗚呼、今夜もまた繰り返し。代わり映えのない毎日を過ぎていく時の流れに任せて生きていくだけ。なんて詰まらない、なんて退屈な人生なんだか。そんな事をぼうと考えてはゆるく瞬き、二つ目で瞳を閉じて。__『父の様に、立派になりなさい。』母は口癖の様に俺に言い聞かせていた。父は表向きは普通のサラリーマンだった、母はそんな父を支える専業主婦。側から見れば仲睦まじい夫婦で、その間に生まれた俺は周りから羨ましがられるのも普通の事だった。しかし実際のところ本当にそんな家庭があるのかと問われればそれは首を振ることとなる。母の云う”立派”とは、父のサラリーマン人生の事を指すのではない。家族だけが知っている、家族だけの秘密、母の云う立派とは父の裏の顔である”殺し屋”という仕事に対するそれであった。物心ついた頃から、人の殺し方や気配の消し方そして時には練習に父とともに殺しをしたりと普通とは違うそんな毎日を繰り返していくうちに、自身の中にある生と死の価値は曖昧になり大人になる頃にはまるで息をする様に人を殺せる様になってしまった。それが間違いである事さえ今では良く解らない。そんな脳内に首を振りては後始末をしようと瞳を開く_____が、そこにあったのは赤ではなく1人の青年。そしてその耳に落ちた言葉は、自身の”日常”を壊す様なそんな言葉だった。「…今、なんて言った…?」ただそう口に出せばそっと触れる手の平の温もりに顔を顰めて)
>pl様
( /大変お待たせ致しました‼︎ 早く絡みたくてうずうずしていたんですが、中々返せず申し訳ありません/汗 / まだまだ未熟者ではありますが、御返事返させて頂きます…‼︎ これから末長く宜しくお願いします/礼 )
トピック検索 |