夢を守る者 2015-06-13 17:34:47 |
通報 |
>ジョーカー先生
甘い、香り……。
(自分が呼び寄せた強い力。一種のステータスである召喚獣が強いものを召喚すれば魔法使いとしてはそれだけで強者として立派な証明になる。強い力を呼び寄せられるのは強い力だけ----しかし、自分は。自分は見合うだけの召喚獣を呼び出したというのに、それを制御できずに暴走させてしまった。その場にいた同級生たちが数人軽傷を負い、自分もまた重傷までは行かなくても一週間近くを病床で過ごすことになった。それだけのトラウマが、それだけの恐怖が自分の中に染み付いてしまって。自分が恐れているのは召喚獣でも、自分を弱いものと見る周囲の目でもない。----そんな危うい力を持っている、自分自身という存在そのものだ。認めたくなかった事実を相手に突きつけられれば、きつく拳を握り眉を潜め。相手が仮面をつけると同時、周囲に漂ったのは甘い香り。相手特有の魔法が始まったのだと理解し、ポケットに潜ませていた杖を取り出し本来の大きさに戻せば相手に向けて構え。「ッ、お、俺……?」しかしふと、前を見つめればそこにいるのは自分自身。相手が化けたのだろうか、不安げに相手を見つめては杖を強く握り締めて)
トピック検索 |