ハザマ 2015-05-13 13:04:14 |
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>アマネさん
あ、はい。…ありがとうございます。――そう、ですか。(隣に腰掛ける此方へと嬉しそうに花が咲(わら)ったような表情を見ると何故か癒されながらやはりその柔らかい雰囲気には既視感があり、気兼ね無く会いに来て良いと伝えてくれる相手に軽く頭を下げるものの。此方と顔を合わせる事が叶うのなら時間等関係無く幸せなのだと、口説き文句のような台詞をさらりと口にする相手へと熱に当てられるようで気恥ずかしさから曖昧な返事をしてしまい。少し空いた遠慮の隙間を詰めても良いかと奥ゆかしげに問う相手の顔を見ると、恐らくはいつも片時も離れず側にいたのだろうと雰囲気で察しながら「…はい。」と此方も面映そうな笑顔で頷き。寧ろこの距離でも離れているのが逆に不自然な気がするのは、きっと記憶で無く身体が覚えているのか。相手から尋ねられているのに何だか此方の方が相手の香りや体温に自然と寄りたくなり)
あ、良かったです。…ええ、会いに、(なんて優しく笑い掛けるのだろうと月灯りに照らされたその微笑みをずっと眺めていたい気持ちに刈られながら、腕を上げ掛けた動作が視界に入り。そっと腕を降ろして何処か悲しげな色に染まる相手の顔を見るなり気付けば此方の腕が相手へと伸びて。花の香りごと強く背中に腕を埋めるような抱き締め方になってしまいながら)
あの、…すみません、私が…悪いんです。
けど、記憶はないのに、……何でこんなに愛しいのか、凄く悲しくなるのか。…分からないんです、
(結婚が決まっていたのなら、互いにきっと幸せだったのだろう。相手のこの辛そうな顔を見ると何れ程気丈に振る舞って気を張っているのだろうかと心が揺さぶられてしまうようで、ただただ思い出せない空白の記憶を抱えながら抱き締める相手の身体の感触や柔らかい体温、香りにはこんなにも懐かしいと五感は相手を覚えているようで。何故、こんな事になってしまったのか、ただ相手と居たかっただけなのに。気が急くばかりの心に自分の声がする気がしながら藤紫色のさらりとした髪が頬を掠り、抱き締める相手の体温が躰に沁みて)
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