主 2015-02-20 18:23:01 |
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きゃあ!ビックリしたぁ…!
(勢いよくドアを開けた直ぐのところで悲鳴を出しその場でキョトンとしていたが、何事もなかったかのようにふるまい買ってきた水を表示は笑顔だが行動後あからさまに緊張しているのか体のあちこちの動きがぎこちない
そんなながらも心配かけてごめん、いつもありがとうとまんめの笑みで言って
おっと、すみませんっ…って、穂乃果か…良かった、あんまり戻りが遅いから心配してたんだぞ?
(向こう側に誰かがいるとは思ってもみず思い切りドアを開けてしまったため、少女の悲鳴にも似た声があがれば穂乃果を心配するあまり周りへの注意力が落ちていたかもしれないと考えては慌てて謝ると、ドアの反対側からこれから探しに行こうとしていた相手の姿が現れてホッと一息つき、心配をしていたと軽く咎めるように述べるが満面の笑顔で謝罪とお礼を言う姿を見ていると何もかもがどうでもよくなってしまい、此方も微笑みが零れて
大丈夫だよー!穂乃果だってもう子供じゃないんだから!…ってわぁ!
(心配してくれてるのは心の底から嬉しいと思ってる半面私はもう高校生なんだもう子供じゃないんだそんなドジはしないと言わんばかりの見栄を張っているやさき、言ってるそばから下り階段でつまずきそうになり
おっと…全く、言ってるそばから…
(今のように少しだけ感情的になって見栄を張るような時は大体決まって何か失敗をするのが彼女の特徴ともいうべきもので、予めそういった想定をたてていた為、転びそうになる彼女の様子にも素早く対応出来、手首を掴まえて崩れそうになったバランスを正してやり「…そういうところが子供だっていうんだ。俺だっていつまでも穂乃果のそばに居てやれるわけじゃないんだからもっとしっかりしないと駄目だぞ」相手へと注意を促しつつ、いくら幼なじみと言えどもいつまでもこうして自分が面倒を見てやれる訳がなく、もっと独り立ちするようにしないと駄目だと、どこか自分自身にもそう言い聞かせるように述べ、胸の内に過ぎった寂しさを誤魔化すように相手の髪を一撫でして
ごめん、ありがとね~!
(渉に支えてもらいながら体勢を直して軽く嬉しそうに微笑みながら言う
「え…そう…だよね…穂乃果もっとしっかりしなきゃだよね…渉君にいつまでも迷惑かけられないよね…えへへ…あれ…何でだろう…」いつまでも一緒にいられないと言う渉の言葉に異常なまでの寂しさがよぎり、無理矢理笑顔を作ってこれ以上迷惑かけたら駄目なんだと、自分に言い聞かせて強がってはいるが、段々強がりを言うたびに涙が溢れてきて、何故かそれが止まらない。何故だろうと考えつつ渉にばれないように涙を拭って
…穂乃果、泣くな。別にそんなすぐにさよならって訳でも無いんだから、な?
(涙を隠そうと振る舞う彼女の努力も虚しく、こんな近距離では溢れるような涙に気がつかない筈がなく、きっとさっきの自分の言葉でいつかはやってくる別れを意識してしまって寂しかったのだろうと感じ、意外と寂しがりやだななんて彼女を慰めるようにしながら考えて「学校を卒業して、どちらかが恋愛をして…別れなんてのはその先の話しだからさ」泣いている彼女を放っておけなくて軽く抱き止めてやりながら、いつかは今こうして腕の中で泣いている頼りない彼女も自分のそばから離れて知らない誰かと結ばれて家庭を持つ時が来るのだろうかという想いが胸を過ぎり、気持ちが落ち込むような気がしていたが気のせいだと自分に言い聞かせ、気にしないことにして
そんなの…そんなの…!ただの気休めでしかないよ!!だったら穂乃果に優しくしないでよ!うぅ…!
(どうやら渉の言葉が地雷をあててしまったらしく、穂乃果は渉を力強く押し飛ばして涙をポロポロとこぼしながら怒鳴って!そのまま勢いに任せて階段を駆け足で降りて
ほ…の、か…?どうしたんだよ…
(思い切り突き飛ばされるもあくまでも女性の力であり、少し後ろによろめく程度で済むが力以上に涙に濡れた彼女の表情や、普段の明るく元気な声とはまるで違う明確な怒りの込められた声に強い衝撃を受けてハッと息を飲んで、そんな辛そうな表情をさせてしまい尚且つ、今までにも記憶にないぐらい怒りに震える相手の様子にかける言葉も見つからず、後を追うことも出来ずにいて
もう…何であんなこと言っちゃたんだろう…
(ポロポロ溢れてくる涙は止まらずしばらくしてから涙をハンカチで拭いながら校舎の裏まで歩き、壁にもたれ掛かって
空を見上げたままぼーっとして
教室ではもう授業が始まっているがそんなことすら忘れてただ立ち尽くす)
穂乃果は…居るわけ無いか…
(一人残され、所在なさげな様子でその場に立ち尽くしていたがこのままで居ても何にもならないと考えてはとりあえず次の授業へ出るべく教室へ向かい、教室の中を見回してみれば彼女の姿はなく、さっきの様子ではそれも当然かと少し諦め顔で呟きながら椅子を引き、自分の席につけば先ほどの彼女の様子について改めて考え「…優しくしないで、か…。そうだよな…これから先、穂乃果の隣に居るのは俺じゃない…こんなの無責任過ぎるよな…」これまでずっと彼女のことを、それこそ本当の兄妹のように可愛がって世話を焼いてきたつもりだったのだが、実際に血の繋がりがあるわけでも無ければ戸籍上でも他人に過ぎない自分と彼女は遠からず別々の道を歩き出し、少なくとも今のような関係のままではいられなくなってしまうだろう、そのことがわかってしまうから彼女も葛藤していたのだろうと推測すれば自身の考えの浅はかさに嫌気がさして
結局思ってるのは穂乃果だけだったのかなぁ…えへへ、馬鹿みたい
(しばらく校舎の裏の壁にもたれ掛かっていて、そんなことを考えていると放課後になり)
帰ろうかな…
(と俯いた表情をしながら教室に駆け足でむかい)
穂乃果の鞄…まだ学校に居るのか…
(結局放課後になるまで戻ってくることのなかった穂乃果のことを想い、ふと彼女の机へと視線をやれば鞄は置いたままで、それはつまり彼女がまだこの学校にいることを意味していて、再び会ってキチンと話をしたいという気持ちと、今更会って何を言えばいいのかという気持ち、二つの感情の板挟みにあって少しの間、教室でボーっとしていて
…あ、お、お疲れ様…!
(教室のドアをゆっくり開けて入ると渉が視界に映り気まずいながらもお疲れ様と小さく笑って挨拶をして。
「じゃあ穂乃果帰るから」といって机にある鞄を肩にかけてから早歩きできょうのを出ようとし
あ、ああ…気をつけて帰れよ
(明らかに距離感のある彼女の物言いに、既に自分は彼女に求められていないんだなと察してしまい、半ば覚悟はしていたことだがやはり今まで自分によく懐いてくれていた彼女の心が自分から離れていってしまうのは内心辛いものがあって、そんな感情を悟られないように、自分の存在が彼女を苦しめてしまっているのならもう関わらない方がいいだろうと辛い決断をし、精一杯の強がりでいつも通りを装って彼女の後ろ姿を見送り
…~!もぅ!何で!何で!何で!
(教室の出口の前で立ち止まり、この重い空気に耐えられなくなったのかいきなり感情をあらわにし)
「穂乃果、何でこんな気持ちなのかわからないの!渉君と一緒に食べた弁当、一緒に行った場所、一緒に過ごした時間が何より楽しいし、胸がドキドキして暖かくなる!渉君が今みたいに悲しげにしてると穂乃果も、胸が苦しくなるし悲しくなるんだよぅ!穂乃果はぁ…!」
(自分がいま浮かんだことをとにかくとにかく怒りと哀しみの感情にのせて渉に必死に伝えながら渉に近づいて、最後のところで渉の胸あたりに頭を軽くもたれ掛かけ)
っ!?穂乃果…なんだよそれ…それじゃまるで…
(口にすれば今の自分たちの関係が本当に壊れてしまうのではないか、そんな言い知れぬ不安から後に続けて言おうとした告白みたいじゃないかという言葉を寸前で飲み込み黙り込んで、彼女を傷つけることが怖くて胸元にもたれかかる相手を抱き締めることも引き離すことも出来ず、ただただ時間だけが過ぎていき
渉君には、分かるんでしょ?だったら教えてほしいの!
(胸を苦しそうに押さえながら、顔を見上げ、藁にもすがる思いで渉に涙を流しながら訴えかけて、渉の腕をつかむ。
やめてくれ…俺は…穂乃果の想いに応えられない…応える資格がない…
(彼女が己に向けている感情が何なのか、それが自分の中で徐々に確信へと変わっていけば同時にそれが痛みを伴って己の心に重くのしかかり、最近自身も彼女に対する見方のようなものが変わりつつあり、それがもしかしらた恋愛感情というものなのかもしれないなとも今になれば思えるのもまた事実で、しかしながら傷つき苦しみながらも真っ直ぐに己を見据え、向き合おうとしている相手の真摯な想いにこんな中途半端な想いでは応えられないと自己嫌悪に陥ってしまい、辛そうに唇を噛み締めながら残酷な決断を下し
っ!?…そっか…そうだよね、ごめんね…渉君には押ふり付けがましく感じたよね…!
(渉の言葉を聞いたとたんに針のようなものが胸に刺さったみたいな痛みが走りその場で膝をついてその場で座り込んでしまいしばらくしてから立ち上がりよろよろしながら歩き
あっ…!ごめん…ごめんな穂乃果…
(此方の言葉に茫然自失といった様子で危なっかしい足取りで歩いていく彼女を目の前に捉えながら、普段の自分ならば迷わず後を追い、気遣い世話を焼いていたところだっただろう、しかし彼女をこんなになるまで傷つけたのは他でもない己であり、そんな自分が同情で優しくしたところで相手の傷をただ抉るだけで気休めにもならないだろうということはわかりきっていることで、手を差し伸べたい気持ちを抑え、ただただ謝罪を繰り返しながら拳を痛いほどに握り締めて
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