主 2013-07-22 06:03:31 |
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「どうしてって……楽しかったから?」
彼女の問いにあっけらかんと答えると、深く息を吐く。毒のせいか、痺れで指一本動かせる気がしない。
それでも少年は笑う。暗くなり始めた空を仰ぎながら───
「やっぱり喧嘩は良いねぇ……」
「喧嘩」───下手すれば死んでもおかしくない命の取り合いも、その一言で片付けてしまう。
彼女からすれば異質に感じるかも知れないが、それこそ自分にとっては取るに足らない些末な事なのだ。
「ところで……この毒何とかしてくれるとありがたいんだけど?」
未だ地面に横たわったまま、視線だけを彼女に向け───
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