主 2013-07-22 06:03:31 |
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カウンターは見えていた───
それでも、自分が止まる理由にはならない。
自分の躰が傷付くのもいとわず、迎え撃ってきた刃ごと相手の躰を弾き飛ばす。
もう毒には感染している。
───恐るるに足らない───
とは言え、自分に残された時間は残り僅か───
視界はぼやけ、息は荒く、躰に上手く力が入らない。
正に立っているのがやっとの状態なのだ。
「そういや、まだ自分の手の内明かして無かったよな?」
息も絶え絶えに相手に告げると、右の手首のスナップを利かせ───
魔力を体内で練り上げると、右拳に集中───
腰だめに構えた拳が蒼い光を纏う。
魔術とは、本来、魔力という精神エネルギーに使用者のイメージを投影させて始めて成立する技術。
だか、この少年の場合は魔力を物理・身体的エネルギーに返還することに特化しているのだ。
通常の魔術が使えないのは此れに起因していた。
「覇亜ぁぁぁっ……!」
気合いと共に力を込めると、拳は更に輝きを増していく。
本来、不可視で在る筈の魔力が顕著に現れる程に───
左手をスッと上げると先程やって見せたように、挑発するように手招き。
ケ リ
「決着つけようぜ?」
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