［NL］悪魔を拾った

…服か、そうだよな、この世界に住むにはこの世界のもん着ねぇと馴染まねぇか…(相手の言うことに納得しガトンゴトンと電車に揺られる。駅に着くまでの間外を見たり乗客を見たり、この世界をキョロキョロと観察しているとアナウンスが流れ「ここか?」と問い、電車から降りる。
すると電車に乗った駅よりも降りた駅の方が人が多く外に出ると建物までもが大きいことに少々驚き

うん、ここだよ
（やはり相手の学習能力というか順応能力は高いらしいと感心しながら相手と共に電車を降りて相手がはぐれないようにと相手の手をしっかり握れば「こっちだよ」と改札口を出て大きいショッピングモールに入り相手を紳士服売り場まで連れて行き

………(相手に手を引かれモール内を歩いていると今まで見たことのないような服が売っていたが女性下着が目につくと“あれは城下町の奴らが着ていたな”と心の中で親近感を持ち魔界と人間界には多少共通点があることを知る。紳士服売り場に着くとまたもや見なれた服があり「ああいうのは執事が着てたぞ」とスーツを指を差して言う。


キョロキョロと服を物色していると
黒いYシャツと白シャツ、細めのジーンズというシンプルな服を見つけたので「これにする」と告げ

そうなんだ…
（さすがに執事の存在は知っているが相手の実家には執事がいるのかとか考えながらそう返事をすれば相手が服を選び始めたので自分は相手の様子を少し心配そうに見守り相手が変なのを選んでこなかったことを心底安心したような表情をすれば「うん、わかった。サイズは大丈夫？」と問いかけどうやら問題ないらしいことがわかりそのまま会計にもっていき「何か必要なものってあるかな？」と相手に尋ね

…そういやこれを買う時、紙とコインを払っていたな、通貨なんだろ?悪い(見ず知らずの自分に物を買ってくれたことをさすがに悪いと思い律儀にお礼をする。
他に必要なもの……思い浮かばねぇ(下着などは一式買ったがこの世界のことを知らないので他のものが思い浮かばず「お前は買うもんねぇのか?」と尋ね

バイトしてるし大丈夫だよ
（悪魔からお礼をされるとは…と心の中で若干失礼なことを言えば相手の言葉を聞いて「うん、じゃあ何か必要になったらまたここに来ればいいね」と言い相手に買うものがないのかと問われれば少し考えてから何か思い浮かんだらしく「レオンは甘いもの好き？」と相手の手をとって歩きながら問い

甘いもん?ああ、こうもりパイとか上手かったな甘くて、好きだ(途中奇妙なことを言うもののニッと相手を見て)
…なあ、さっきから手ェ掴むけどついて行けるから大丈夫だ(ガキじゃねぇんだしな、と付け足すと手をスッとほどき「そういえばバイトってのをすれば金が手に入るのか?」と興味深く尋ね

うっ… 甘い物大丈夫ならコレ！
（こうもりのパイと聞いて頭の中で想像してしまい声を漏らしてしまうが慌てて隠すようにケーキ屋さんを指差し、相手に手を放されれば少し寂しそうに「あ…そうだよね。ごめん。」と謝り店に入れば相手にケーキを選ばせ、相手がバイト興味がある様子を見て「うん、お金を稼ぐためにバイトするの」と簡単に答え

…？(相手の寂し気な表情を見るが今はまだ意味がわからずのまま店の椅子に座る)
そのバイトってのはどこで出来る?(注文したオレンジジュースを飲み「んー、んまい」と納得し

バイトしたいの？
（注文を終えてケーキを待っている間、相手の発言を聞いて意外そうに聞き返せば「私はレストラン…飲食店？でバイトしてるけど、他にもコンビニとか…」と説明しつつ魔界にコンビニってあるのかと心の中で疑問が生じ

ああ、この世界には金が必要らしいからな(「それにいつまでも世話になるわけにはいかねぇし」と付け足すと、ジュースが無くなりメニューを見る。すると血に似たトマトジュースがあり美味しそうだったらしく「これ頼んでいいか?」と質問をし「…コンビニって街のところどころにあった小さい店だろ?」街を観察していたので少し理解出来ているらしい。

そっか…
（相手がこれというのでどれ？とメニューを覗けばトマトジュースのことらしく漫画のドラキュラみたいだなと可笑しそうに笑えば「うん、いいよ」と丁度店員さんがケーキを持ってきたのでトマトジュースを注文してやりコンビニのことを知っていた相手に「うん、そうだよ」と感心しながら頷き

やっとあっち(魔界)みてぇなもんが食える(王になるのが嫌だっただけであちらの世界は好きだったらしく１日ぶりの魔界料理(に似た)を食べられることからご機嫌に。相手が再び頼んでもいいと言ってくれたので、“見ず知らずの奴にここまでしてくれんのは教会の奴等ぐれぇだ”と相手の優しさを感じ、そのまま「お前は優しい奴だな」と相手を見つめながら一言言うとすぐに先ほど届いたショートケーキに目を移しバクリと半分ほど食べると「うん、うまい、ニンゲンは甘さ控えめが好きなんだな」と結構甘いはずのケーキにコメントをし。

帰りたくないの…？
（相手の言葉を聞いてどうやら相手は魔界を恋しがっているように見えたらしくおそるおそるとそう問いかけ、自分が優しいと言われて少し嬉しそうに微笑みながらショートケーキを口に運んだ相手を観察し、相手のコメントを聞けば「よかった。…レオンって相当な甘党かな」と自分のチョコレートケーキを一口食べ

（すみません 遅くなりました！）

あー…、魔界は好きだ、確かに帰りてぇとは思う(お皿の上の食べかけケーキをフォークでつつくと「…でもあっちの世界での“立場”…が気に加ねぇんだ」と嫌そうな表情に。そういうと残り半分のケーキを全てたいらげ「こっちの世界のもいけるな」と、うんうん、と頷き先ほどの表情はどこかへ消え。
((大丈夫ですよー♪))

そっか…
（魔界における相手の立場とは？とか聞きたいことは色々あったが相手の表情を見てしまっては聞けなくなってしまいそう返事を返せば自分も残りのケーキを食べようとするが、あまりお腹空いていなかったのかこれ以上は無理かなと、半分残してしまい「他にどこか行きたいとこある？」とテイクアウトを頼む前に相手に尋ね

行きてぇとこ…(うーんと考えているとジュースが届き「おっ、きた」と静かに喜びストローから飲んでみると「……少し、何かが違う」と色やとろみが類似してただけで眉をしかめ飲む。
そして、飲んでいる間に思いついたのか「俺、空が飛びてぇんだ、１日動かさねぇと気持ち悪い」背中がうずく、と告げれは「今日はとっとと家帰ろうぜ」と提案し

空飛びたい、か……
（そういえば相手には悪魔の翼があるんだったなと思い出したように慌てて「絶対に人に見られちゃダメだよ！」と相手に念を押し残ったケーキを箱に入れてもらってテイクアウトすれば店から出て「じゃあ今日はもう帰ろう」と相手の手を取ろうとしたが先程の相手の言葉を思い出して手を引っ込め

おう、見られはしねぇ(自信満々にそう言うと買った物を持って家に帰る、そして夜に。
ご飯を食べ終えると玲奈に「ちょっと庭に来いよ」と告げ食器を流し台に持って行くとスタスタと先に庭へ向かい。

あ…ま、待って！
（食べ終えて食器を流しへ持っていけば皿洗いをはじめようとするが相手が早足で先に庭へ行ってしまったため、慌てて食器を洗剤を垂らした水につけて自分もいそいそと庭へ出て相手の姿を見つければ「急にどうしたの…？」と相手に問い