owner. 2013-07-07 21:04:24 |
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――お、居た。つうかお前、なにそんなとこで丸くなってんの。叱られていじけてる餓鬼みてえ。
(ばたばたと騒々しく部屋に戻り、真っ先に確かめたのは言うまでもなく彼女の姿。ベッドの上にその姿を確認すると、表情には大袈裟に出さないもほっと安堵して。部屋を出る前と変化があったのは彼女の体勢のみ。立てた膝を抱えて座る、所謂体育座りというのだろうか。普段の態度が態度だけに彼女がするそれはやけに可愛らしく見え、つい小さく吹き出しながら余計な一言と共に突っ込んでしまう。肩に掛けたタオルで髪の水分を取りながら冷蔵庫へと向かい、中から取り出したのはビール。しかし少し考えた後、元に戻す。迷い無く手にしてしまった辺り、彼女が戻って来た事で少なからず浮かれてしまっている事を否めない。気を取り直し適当なペットボトルを手にすると、ベッドの直ぐ前のテーブルの横、彼女と対面する形で腰を下ろして。ベッドの上の彼女をじっと見つめたかと思えば何処か気まずげに視線を逸らし、わしゃわしゃとタオルで髪を拭いては態とらしく咳払いをし。訊きたい事は色々とあるが、やはり深刻な雰囲気は少し苦手だ。それは多分、彼女も同じ筈で。濡れて貼り付いたうざったい前髪を掻き上げると、よし、と気持ちを切り換えるよう背筋を伸ばし。彷徨わせていた視線を真っ直ぐ相手に定めれば「えー…、ではこれより尋問を始めます」と、場を和らげようとでもしているのかおどけた口調で)
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