owner. 2013-07-07 21:04:24 |
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――…何だアイツ。あれは照れてた、よな、どう見ても。ふーん…めっずらし。
(勝手に出ていかないようにと要求し、部屋に彼女を一人残してバスルームへと。意外だったのは先程の彼女の慌てた反応。あからさまに顔を紅潮させ声を荒げる彼女は、明らかに動揺の色が滲んでいた。あんな彼女を見るのは初めてかもしれない。あれで割と可愛い所もあるもんだと、つい頬がにやにやと緩んでしまう己に気付けばはっとして。「いやいやいや、騙されんな」と打ち消すような独り言を呟けば雑念を取り除くかの如く慌てて頭からシャワーを被り、わしゃわしゃと些か乱暴に髪を洗い始めて。どうせ部屋に戻ればまたいつものように人を小馬鹿にしたような表情で、可愛いげない台詞をぶつけてくるに違いない。しかしそれでも己の近況を把握していたような発言が再度頭の中に入り込んで来れば忙しなく動いていた手は緩やかになり、やがてはゆっくりと止まって。「…何考えてんだよ、ほんと」頭のみにざあっとシャワーを掛けたまま小さく吐き出されたのは、誰に向けたか定かではない言葉。上からな物言いではあるが確かに労りを持った彼女の言葉が、何とも言いようのない感情で胸を一杯にしていく。)
…っくしッ!さみっ…。
(そんな情緒的な雰囲気を打ち破ったのは、恐らくは彼女の元まで届いたであろう己の盛大なくしゃみ。ぶるりと身震いすればさっさと頭を流し、体を洗って浴槽へと浸かり。寝てても構わないと伝えはしたが、反抗的な彼女の事、起きているに違いない。久々の再会で余り待たせるのも気が引ける。…というよりは何となく、彼女の姿をもう一度確認しないと落ち着かない気持ちもあって。ある程度温まった所でバスルームを後にすれば、ろくに水分も取らない髪のまま、普段よりも何処か慌ただしく部屋へと戻って)
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