owner. 2013-07-07 21:04:24 |
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あー、ただい──……、は…?お前、なん、で──…
(がちゃり、と鍵が開き、扉を開けると同時に暗闇から届く、聞き覚えのある声。仕事疲れもあってか、何度となく繰り返されたそのやり取りについ普通に返し掛けてしまうも、直ぐ様ハッと我に返り。暗闇の中慌てて照明のスイッチを探り当てると声のする方向へ視線をやって。玄関からでも見えるベッドの上に寝そべるのは見覚えのある少女。先程まで己の頭の中を占領仕掛けていた、まさにその人物。余りのタイミングに混乱し、まともな言葉を掛けられず呆然と玄関に立ち尽くす姿は余りにも間抜けで。何故彼女が突然戻って来たのかはわからないが、これが夢ではない事は確か。取り敢えず今はその現実だけを受け入れる事とし、若干視線をさ迷わせた後靴を脱いで部屋へと上がり込み。上着を脱ぎながらベッドの上の彼女を改めて見やる。当然だけれど髪の長さも服装も、あの頃と何一つ変わっていない。綺麗に整った勝ち気そうな表情も、人を無職呼ばわりするその生意気さも。「……何つぅか、随分遅いお帰りで。散歩行くなら行くで一言くらい残してかないと心配するデショ」平静を装い、変わらない態度で接する事を試みるも、未だ動揺が隠し切れないのか語尾が変にぎこちなく)
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