カナリア 2013-06-17 19:38:20 |
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ーー春斗sideーー
「きゃぁ~!春斗様おはようございますぅ♪」
「おは・・・ビクッ !」
「・・・ヒソッ。今日春斗様どうかしたのかしら?」
「凄い不機嫌だわ・・・。」
それもそのはず。
いつもの春斗とはうって変わって今日の春斗は不機嫌だ。
いつも振り撒いてるあの王子スマイルはないし、
彼を振り撒く空気はいつもと180度違う雰囲気だ。
しかし当の本人は何故自分が怒ってるのかも分からないらしい。
「ボソッ。何だよあれ・・・。」
昨日の出来事がずっと脳裏から離れない。
元恋人同士の麗子と海人。
当然俺には分からない強い絆があるわけで・・・
それに・・・
手を繋いでデートして、”キス“ したり・・・。
「なっキスなんか当たり前だろ!?なんで俺・・・「春斗様?」
「・・・えっ?」
「今日おかしいですわ。何かおありで?」
それは俺のファンの女だった。
キツいバラの・・・トイレの芳香剤のような
臭い香水の臭いが充満している。
さすがの俺もキツかったが本音は言えるはずなく
誰にも分からない様に一歩下がった。
「いや・・・何もないよ。」
俺は直ぐ様“王子様モード“に切り替える。
いつも通りに嘘の笑顔を張り付けて。
しかし、さすがと言うのか・・・
「何もないわけないじゃないですか!」
とその芳香剤女(←勝手に命名)が言う。
チッ・・・。
変なところに鋭いからめんどくせぇ。
「本当に何もないか「きゃああああ~!!!」
「・・・」
またさえぎられたし。
しかもこんなデカイ歓声って事はあいつか・・・
俺はデカイため息をついた。
そう。あいつだ。
「海人さまぁ~!」
「今日もカッコいいわぁ~」
「皆、ありがとな。」
ヤツが女子の大群にバチッとウインクすると女は一瞬で
タコみたく顔を赤くする。
最悪だ。よりによってこんな時に・・・
俺はさっさと立ち去ろうとした。・・・が。
「あ~!春斗やっと見つけたわぁ~♪」
海人の声で俺は逃げる事さえ出来なくなった。
かーん。
俺の頭の上にタライが落ちる音がした。
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