カナリア 2013-06-17 19:38:20 |
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ーー朋美sideーー
麗子「・・・なっによっ!『黙ってろ。』なんて!
分かったわ!思い通りにさせてあげるわよっ!」
麗子さんはいつも通りの強い口調でそう言い捨てると
乱暴にドアを開け、屋上を後にした。
おらの気のせいかもしれねーが、麗子さん悲しそうな顔をしてた?
バンッッッ!!!
ドアの閉まる音がするとおら達は気まずい雰囲気に包まれる。
どちらとも口を開かず、シーンとしている。
サァァァァ・・・・・・。
風の音しか聞こえない。
朋美「・・・なんか他人だべな。」
春斗「・・・ああ。」
昔はいつも一緒なのが当たり前だったのに
時間がたつだけでこんなに距離ができるんだべな。
朋美「ごめん勝手に・・・。」
春斗「・・・いいよ。気にしてねぇーし。」
嘘だべ。
あんなこと一生忘れられない心の傷だべ。
春斗の両親が死んでしまったあの日から春斗は人が変わった。
皆に優しくて人懐っこかった春斗は中学時代不良になってしまった。
今は落ち着いたけど、まだ春斗の心はあの日から時が止まっている。
おらはそんな春斗を止めることさえ出来なかったんだーーーーーーーーーーーー。
春斗「・・・じゃあな。」
朋美「あっ待っ・・・」
ギィィ・・・。
ガシャン・・・。
屋上に来たはずなのに春斗は行ってしまった。
おらが居るから。
あの日以来避けられている。
朋美「まっ当たり前だべ・・・。」
だって春斗の両親を殺したのはーーーーーーーーーーーーーーーー。
おら、だから。
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