キミ×私*NL*

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あ、どうぞどうぞ見ちゃってください!←

――…、(何でもいい、話しかけて来ようと席を立とうとするも、明るく人気者の相手は直ぐに友人達に囲まれて。軽く息をつくと立てた片肘に顎を乗せながら窓の外を眺め。時折相手を気にし一人になるのを待つが、そのチャンスも訪れないまま授業が開始してしまう)

…葉山くんっ、(昼休み。走って来たのか息を乱しながら相手の服を引っ張って引き止め。「これ、昨日言ってた…」そう俯き気味に言いながら相手に向けた彼女の手には、小さなラッピングされた袋が。)

え…、あぁ。(己を引き止めたのが相手だとわかればつい顔が緩んでしまいそうになるも、平静を装い振り返り。可愛らしくラッピングされた物を受け取れば更に表情を保つのが困難になってきて)
マジで作って来てくれると思わなかった。あれから作るの大変だっただろ。(緩む口元を隠すように軽く手の甲を当てて視線逸らしながら話せば、最後に相手を見つめ「サンキュ」とはにかんだような笑みを向け)

遅れちゃってごめんね、(なかなか渡す機会がなくて、とすまなさそうに眉を下げて俯き。「約束だもん、」大変じゃなかったよ、とへらりと頬を緩めて相手を見上げるも、初めて見る相手の表情に思わず動きが止まり、頬が段々と赤く染まって)

仕方ないって。桜木いつも囲まれてるもんな。(と、さりげなく言ったつもりが何処か嫉妬を含んだ声音になってしまっている事に気付けばはっとして。「あ、中身何？」と袋を軽く掲げ慌てて取り繕って)

えっ…そんなことないよ…、(相手の声音にきょとんとするも、その言葉をやんわりと否定する表情は暗く。「えっとね-…クッキ-と、パウンドケーキ、」嫌いじゃない?と不安そうに首を傾げて相手を見上げて、)

ん、全然嫌いじゃない。(甘いものに関し未だに好きだとハッキリ言わないものの、直ぐ様頷いては軽い笑みを浮かべて。少し周囲を気にする様子を見せた後今は相手が一人だとわかれば「今日天気いーし屋上行こうかと思ったんだけど…桜木も行かない？」と控え目に誘ってみて)

よかった、(安心したように微笑んで。予想していなかった相手からの誘いにきょとんとするも、「行く!行きたい!」と瞳を輝かせながら何回か頷いて)

じゃ行こ。(相手が快く乗ってくれれば軽く笑み返し。相手の前では控え目に笑ったつもりだったが、ほんの少しの時間とはいえ相手を独占出来る嬉しさから自然に頬が緩んでしまう。それを隠すように相手より少し先を歩き出し)

うんっ(此方も嬉しそうに笑って相手を見て。たたっ、と相手に遅れをとらないように小走りでついていけば、屋上へと続く階段を軽快な足どりでのぼり)

(屋上へ続く階段をのぼる途中、軽快な足取りで己を追い越していく相手が何だか微笑ましくて。くす、と笑みを溢しながら後ろ姿を視線で追っていたが、相手がある程度階段をのぼり此方から見上げる形になれば、はっとして咄嗟に相手を視界から外し)
…桜木早いって。(なるべく視界に入れないようにしながら相手に追い付けば、何処か照れたように視線を逸らしたまま言って)

葉山くんが遅いんだよ-(「到着っ!」という言葉と共に最後の1段を飛び越して。扉の前で立ち止まり、後から来た相手に楽しそうに笑いながら言うも何故か視線を逸らす相手。
「ど-したの?」と不思議そうに首を傾げ)

…別に。(問われるとドキリとして視線逸らしたままついそう返してしまうが、やはり今後を考えると無かった事にするには出来ずちらりと相手を見やれば「あー…嘘、ごめん。階段では気を付けた方がいいかも、その…、スカート」と頭を掻きながら言いにくそうに言葉を濁して)

スカ-ト…?(きょとんとするも、その意味を理解したらしく。「え、う、あ…」なんて顔を真っ赤にしながらあわあわとして俯けば、「ごめん、ありがと、…気をつける」と気まずそうにこくり頷いて)

あ…いや、違くて。見てないからまじで。(誤解を解こうと慌てて口を開くが、相手に釣られてしまったのか冷静さが崩れまるで言い訳のようになってしまい。「…行こ」気恥ずかしそうに視線を逸らしては屋上に続く扉を開け、相手を先に通そうとし)

そ、そっか…(見られていないとわかれば、ほ、と安心したように。「ん、」気まずそうな相手を見てへらりと頬を緩めると、相手の手を取って屋上に出て、)

…やっと春らしくなってきたな。(手を取られた瞬間胸が鳴るが、意識した途端些細な事にも一々反応してしまう自分が悔しくて、気を取り直すように屋上からの風景を眺めながら口にして)

うん、あったかくなるね、(寒いの苦手だから嬉しい、と繋いだ手を無意識に前後にふって。その辺を歩き回れば「ここ、あったかいよ-」と微笑みながら日の当たる場所に座って)

桜木ってさ、多分だけど春好きだよな。(緊張してるう己をよそに繋いだ手を振る相手を見てはくす、と笑みが浮かび、緊張が和らいだ気がして。腰を下ろす相手の隣に座り、暖かさに「ん、気持ちいいな」と空を見上げては何の根拠があるのか横目を向けながらそんな事を口にし)