美樹さやか 2012-09-06 22:02:21 |
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>リリス
…確かに、リリスの言う通りかも知れない。けど…
(暁は、リリスの言葉を受けて、リリスがどんな表情をしているか気付く。それでも暁は止まらなかった。いや、気付いてしまったからこそ、尚更止まれなかった。リリスを巻き込んではいけない。暁は、だからこそ、リリスに笑顔を向けた)
俺にも…一人の騎士としての誇りと、皆には被せられない枷があるんだ。だから…皆を巻き込む訳にはいかない。俺は…“ここで死ぬ運命”だから…ッ!
(暁は静かに自分の運命を、笑顔のまま告げた。その笑顔は何処か哀しそうにも見える。それでも暁は、迷わなかった。リリスの魔法を受けても大した傷は負わず、そのリリスを煩わしそうに見る魔女が目を光らせると、爆発が起きる。暁はリリスを瞬時に突き飛ばし、自分はその爆風により、飛ばされ転がる。あろう事か、暁は爆発をモロにくらってしまったのだ。普通なら死ぬその一撃は、バリアジャケットで緩和されたが、それでもダメージは大きく、暁は転がった末に壁とぶつかると、吐血して、身体が動かないことに気付く)
…くっ…全身の骨が少し逝ったか…だけど…これなら…リリスは…ッ!?
(だが、その突き飛ばしたリリスの下へと魔女は向かい、大鎌を振り上げていた。暁は思い出す。また失うのか? そんなのは嫌だと…だが、現実は無情でリリスに向かい魔女は鎌を振り下ろす。だから、暁は願った。今、リリスを助けるだけの力を…だから! 暁が願った次の瞬間、暁はリリスの前に立ち、大鎌を片手で受け止めていた。はじめて驚愕した表情を見せた魔女。暁は自身の身体を見て自嘲気味に笑い、納得した)
ああ…そういう事か…一人で背負う覚悟も要る訳だ。この力は…
(一人呟き暁は、リリスに向かって微笑んだ)
…俺は大丈夫。後は一人で飛べそうだ…最期、だから…だからこそ…
(暁は前を向き直すと、“背中の蝙蝠の様な翼”をはためかせ、自分の死すべき運命を悟りながらも、笑った)
もう、何も怖くないよ。
(暁は、悪魔としての姿で、一人佇んでいた。その姿は、一人の女性を守る、“悪魔の騎士”として、皆の目に映った)
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