◆本当は怖いグリム童話◆3L/人数制限

>正午


【全４章から成る、
　 おそらくは最初で最後の、
　 グリム兄弟が登場する御伽話】

＊１＊

──御伽の国は、グリム兄弟が築いた国。

かつて酷く貧しかった兄弟は、夜な夜な紡いだ物語を文字におこして本を編み、血の滲むような努力の末に『グリム童話』として出版。
たちまちのうちに、世界中で知られる童話の王様になりました。

グリム童話の生き生きとした物語には、子どもも大人も男も女も、皆が皆夢中でした。
それもそのはず。
物語の登場人物、御伽の国の国民たちは皆、本の中で本当に生きていたからです。

シンデレラの継母と白雪姫の継母は、娘たちに本当は優しく、お互いにも大の仲良し。
歳上のお姫様たちにぞっこんな兄ヘンゼルに、グレーテルはたいそうやきもき。そんな彼女を王子様たちは微笑ましそうに見守ります。
赤ずきんのおばあさんを食べる役の狼は、ブレーメンの音楽隊が開く晩餐会のお客様さま。

主人公も悪役も、貧民も王族も、人か動物かも関係ない。
御伽話を演じていない時の彼らは、グリム兄弟に生み出された同じ血の通う仲間として、それは仲よく暮らしていました。

＊２＊

──御伽の国は、グリム兄弟が築いた国。

だから、誰かが本を読んでいないとき、グリム兄弟自身がその中にひっそり現れるのだって、実は当たり前のことでした。

国民たちは兄弟を崇め、ふたりのために皆で建てた立派なお城をプレゼントしてやりました。
グリム兄弟は、たびたび現実の世界からこのお城にやって来ては、自分たちを一躍人気作家にしてくれた愛しい我が子たちのために、豪華なパーティーを開いたものです。
あんまりに楽しそうなので、時には外国の、千夜一夜物語やペロー童話の世界の国民たちですら、時々こっそり遊びに来るほどでした。

だれもが幸せでした。御伽の国に暮らすだれもが、創造主たるグリム兄弟を愛してやみませんでした。
だから、あの晩起こったことを、だれも予期できなかったのでしょう。

＊３＊

いつものように、御伽の国じゅうの国民たちが、グリム兄弟に招かれてお城のパーティーに集まりました。
御伽話の主演俳優たちだけでなく、小人や妖精、町民、村民、森の獣や神様たちまで。
とにかく、グリム童話に出演するありとあらゆる国民たちが全員招待されたので、大広間には入りきらず、パーティーは城の中庭で行うことになりました。

本の向こうの読者たちを楽しませる日々の苦労を互いにねぎらう、楽しい楽しい晩餐会でした。
たらふく食べて、心行くまでお喋りして………

その時です。
先ほどから姿の見えなかったグリム兄弟が、城の３階のバルコニーから不意に姿を現しました。
何やら奇妙な服に身を包んでいます。
御伽の国の民たちは、まったく見たことがなかったので、それが防護服だとわかる者はだれひとりいませんでした。
弟の方の顔は、少し青ざめているようです。

いつのまにあんなところに？　何の話を始めるのだろう。
無邪気にこちらを見上げる国民たちに対して、グリム兄弟の兄の方は、ひとこと、ふたこと、挨拶したあと、声も高らかに言いました。

「ここにいる皆を、心から誇りに思う。
　御伽の国に栄光あれ！」

そして、何やら不気味なマスクを弟とともに付けると、大きな薔薇の花束を中庭に放り投げました。

ただの薔薇にしては、なんだかおかしな落ち方をする──
だれかがそう思ったほんの数瞬後、そこにはすさまじい爆音と、灼熱と、焼け付くような暴虐な光が、辺り一面に爆ぜていました。

『グリム童話』の世界観に、決してあるまじきもの。
花束に仕込まれていたそれは、大勢を傷つけ、痛めつけ、殺すためだけに造られた、超高威力の爆弾でした。

妖精も、魔女すらも、まったく異なる世界からもたらされたその脅威の殺人兵器に、逆らうことができませんでした。
花束が落ちたところにいちばん近かった者たちは、御伽話では決して描写できないような、見るも無残な有様になりました。
爆弾で砕け散ったテーブルや椅子は、巨大な空飛ぶ瓦礫になって国民たちを打ち砕きました。
いちばん遠い、城の壁に近かった者は、吹っ飛ばされた仲間の体に衝突された勢いで、壁に叩きつけられました。

仲間の体から飛び出した臓物や血に溺れて、息ができなくなったもの……手足がばらばらに吹っ飛んだり、あらぬ方向に折れ曲がったりして、逃げ惑うことも出来ずに瓦礫の下敷きになったもの。
たった１発の爆弾で、夢の場所だったグリムの城は、血と肉と骨に埋め尽くされた、阿鼻叫喚の真っ赤な地獄絵図に変わり果ててしまったのです。

……それでは、グリム兄弟は、かつて自分たちを貧困から救った国民たちを、皆殺しにしたのでしょうか？
違いました。
あれほどの不意の大爆発に巻き込まれながらも、生き残った者たちはわずかながらいたのです。
たまたま物陰にいて、または寸前に中庭から城の中に逃げ込んで、あるいは咄嗟に仲間に庇われて。

彼らも多少は怪我を負いましたが、どうにか命に別状はありませんでした。
ただ、奇襲があまりに突然すぎて何が起きたのかわかりませんでしたし、目の前に広がる焼け焦げた惨状は、彼らの理解を超えていました。

それでも、身を隠していたバルコニーから再びこちらを見下ろした、グリムの兄の冷酷なまなざしで、彼らははっきり知ったのです。

──御伽の国は、グリム兄弟が築いた国。

それなのに、他ならぬグリム兄弟が、
たったいま、自分たちを皆殺しにしようとしたということを。

＊４＊

創造主グリム兄弟が、何故あんなおぞましいことをしたのか。
そのわけもわからぬまま、生き残った者たちは、グリムの城から命からがら逃げ出しました。
ところが絶望的なことに、一夜のうちにして、御伽の国全体も変わり果てていたのです。

暗雲が垂れこめた空には巨大なドラゴンが旋回し、機関銃やチェーンソーを持った大小様々の骸骨たちが常に辺りをうろついている。
カラスの骸骨は常に逃亡者を探して飛び回り、見つけるや否や大声で鳴いて他の骸骨たちに知らせる。
『グリム童話』の世界観とはまるで異なる、世紀末めいたそれが、世界を覆い尽くしていました。

その惨状を目の当たりにしたのは、しかし御伽の国の国民たちだけではありません。
爆発があったグリムの城にこそいませんでしたが、はるばる遊びに来ていた外国の民たちが、城下町に滞在していたのです
彼らはペロー童話の世界や、千夜一夜物語の世界から来たお客様でした。
しかし、彼らはその夜だけ、たまたまいつもと違っていました。
御伽の国の友人のところに遊びに来たが、たまには創造主のグリム兄弟と彼らを、水入らずにしてやろう。
そう思って城下町に残ったために、彼らは爆発には巻き込まれずに済んだのです。

しかし、グリムの城で聞き慣れぬ爆音が轟いたと思った時には、御伽の国全体がおぞましく変わり始めていました。
そのために、たまたま訪ねていただけの彼らもまた、この国で起きている恐ろしい出来事の関係者になっていたのです。

そして、逃亡の生活をほんの数日送るあいだに、御伽の国の民たちと外国の民たちは、先ほどのドラゴンや骸骨たちがグリム兄弟の手先であり、自分たちを──そう、たまたま居合わせただけの外国の民たちですら──探し出して始末するよう命令されていることを知ってしまったのでした。

万一捕まればそれが最期。
骨の檻に入れられて骨の馬が引く馬車に引かれ、グリムの城に連れてこられると、密室に閉じ込められて、恐ろしい毒ガスに苦しみ悶えながら死ぬ羽目になるというのです。


──御伽の国は、グリム兄弟が築いた国。

逃げども、逃げども、グリム兄弟の魔の手は、生き残った者たちを、巻き込まれた外国の者たちを、永遠に追い続けることができるのは明らかです。
それでも尚逃げ続けるか、覚悟を決めて戦うか。
それか、或いは……グリムの弟がこっそり知らせた「ある方法」で、他者を犠牲に生き残るか。

彼らが選べる道はどれも、血にまみれたものでした。

かくして、生き残った御伽の国の民たちと、不幸にも巻き込まれた外国の民たちの、グリム兄弟に狙われ続ける絶望の日々が始まってしまったのです。



【御伽の国の怪物たち】


◆骸骨

最も数が多い敵。骸骨でありながら、骨を折ると血が噴き出す。
体を強打して骨をばらばらにすれば行動を止められるが、そのままでは火に焼かれようと自ら再構築し始めるので、完全に封じるには、骨を砕くか、紐で縛るかする必要がある。

ヒトの骸骨の数が最も多い。彼らの場合、本体には大した戦闘力はないものの、主にマシンガン、火炎放射器、ナイフ、サーベル、ピストル、チェーンソーなどの兵器を用い、戦車やバイク、果てはヘリコプターすら操縦する知能を持つ。
ヒトの骸骨の武器や乗り物は強奪することができる。
ヒトの骸骨は知能が高いため、御伽の国の国民たちを痛めつけて捕らえ、グリム城に連行して毒ガス部屋に放り込むという任務を理解しており、国民を殺すことはない。

ただし、他にも、ゾウの骸骨、サーベルタイガーの骸骨、トラの骸骨、サルの骸骨、ケルベロスの骸骨、ケンタウロスの骸骨、巨人の骸骨なども徘徊しているが、彼らは知能が低く、国民たちを問答無用で殺そうとする。

骸骨ガラスだけは別で、彼らは御伽の国を飛び回りながら逃亡者たちを探し、見つけたら大声で鳴いて他の骸骨たちに知らせるという役割を持つ。
それと同時に、グリムの弟が兄に秘密で考えたある伝言を、逃亡者たちにこっそり囁くということもある。


◆ドラゴン

言わずと知れたモンスター。吐息だけで樹を燃やし、一瞬の炎で１０エーカーを焼き払うことができる。
さすがに希少種らしく、数は少ないが、１頭で戦車１０台分の破壊力を誇る。戦車での集中砲火か魔法を使わない限り、撃退することはできない。
脳が小さいためか、御伽話の国民たちをターゲットとして認識しているわけではなく、敵味方問わず攻撃する。このため、うまくやればドラゴンをなだめられる可能性も存在する。



【御伽の国の地理詳細】


◆グリムの城 / グリム城

御伽の国の中心の丘に建つ、石造りの白い城。かつて、御伽の国の国民たちがグリム兄弟に贈ったもの。今やグリム兄弟と怪物たちの根城と化した。
城の上には常に雷雲が浮かび、周辺には黒いイバラが砦のように生い茂る。中庭には無数の爆殺死体が無残に散らばっているという。
ヒトの骸骨に捕まると、最終的にはこの城に連れてこられ、ガス室の刑になる。


◆城下町

グリムの城のふもとにある、中世ヨーロッパ風の街並み。御伽の国の城下町の中で最大の規模を誇る。
しかし今は、骸骨たちが徘徊する廃墟空間となっている。
『死神の名付け親』の舞台地。13番目の息子の医院はここにある。


◆小人の森

城下町の西と南に広がる森。さらに奥には海があり、まばらながら漁村が存在する。外国の民たちは、ここにある港まで船に乗ってやって来る。
妖精や悪魔などは主にこちらに生息しているほか、各地にそれぞれの御伽話で登場する王国が存在し、各々が小規模な城下町を抱えていた。
『白雪姫』『シンデレラ』『ヘンゼルとグレーテル』はこちらが舞台。小人の家、シンデレラ城、お菓子の家はここにある。


◆眠りの森

城下町の北と東に広がる森。さらに奥には山があり、まばらながら山村が存在する。
こちらは、現実にもいる動植物が多く生息しているほか、各地にそれぞれの御伽話で登場する王国が存在し、各々が小規模な城下町を抱えていた。
『赤ずきん』『青髭』はこちらが舞台。赤ずきんのおばあさんの家、青髭の屋敷はここにある。



【グリムの弟による悪魔の囁き】

兄とは違い、弟は、国民たちを問答無用で皆殺しにすることに罪悪感があるようだ。
そこで、逃亡者の捜索を担う骸骨ガラスに伝令を吹き込み、こっそり知らせて回らせた。

「おまえたちの仲間──自分自身と同じ『逃亡者』を捕らえ、その首を俺のところまで持ってくるか、そいつを『ガス室』に送ったならば。
おまえか、おまえの大切な人も、兄には内緒で助けてやる」

要は、こちらに寝返るのなら見逃してやろうということだ。

骸骨ガラスは、立場によって敵にも味方にもなる存在。
常に御伽の国を飛び回り、見つかればサイレンの如くけたたましく鳴いて他の骸骨を引き寄せる一方、万一逃亡者が弟の側につくならば、それを骸骨語で鳴いて知らせ、他の骸骨たちに襲わせないよう指令することもできる。
骸骨ガラスは、弟の手下。骸骨ガラスを味方につけるなら、それはグリムの弟に常に監視されているも同然だ。

>午後３時


ⓩ自由枠（４枠）
『ヘンゼルとグレーテル』『シンデレラ』『白雪姫』『赤ずきん』『青髭』『死神の名付け親』『千夜一夜物語』『雪の女王』『マッチ売りの少女』『ピーター・パン』以外の童話作品から。
グリム童話作品から選ぶと、生き残った御伽の国の国民たち（爆発に巻き込まれながらも生還した国民たち）のうちに入ります。


【生き残った、御伽の国の国民たち】

ⓐヘンゼル（男・16〜36歳）

ⓑグレーテル（女・12〜26歳）

ⓒシンデレラ（女・15〜24歳）

ⓓ白雪姫（女・16〜25歳）

ⓔ赤ずきん(女・12〜25歳）

ⓕ狼（雄/男・１〜８歳/15〜52歳）

ⓖ青髭公(男・24〜42歳)

ⓗ魔女(女・200〜800歳)
　　
ⓘ13番目の息子（男・16〜36歳）

ⓙ死神（男・200〜600歳）
　　
※御伽の国の国民たちは、自分の国が舞台であるため、地理や気候などに詳しく、怪物たちからうまく逃げることができます。
その代わり、祖国が崩壊したので行く宛がありません。「小人の森」の港にとめられている外国自船からペロー童話の国や千夜一夜物語の国に逃げようとも、船舶技術を持っていないので、外国の童話の国民が操舵手として必要です。


【巻き込まれた、外国の童話の国民たち】

ⓛアラジン（男・15〜25歳）
　　
ⓜ魔神（性別自由・800〜1200歳）

ⓝ雪の女王（女・20〜200歳）

ⓞマッチ売りの少女（女・14〜20歳）

ⓟピーター・パン（男・14〜20歳）

ⓠ ティンカー・ベル（女・６歳〜18歳）

※外国の童話の国民たちは、御伽の国の地理をよく知らないため、御伽の国の国民たちよりさ迷いやすいリスクがあります。
その代わり、自分ひとりでも船を操縦することができます。「小人の森」の港にとめられている自分の船が破壊されてさえいなければ、そこから故郷に逃げ帰れます。

>午後６時


【国民たちの指名手配書】


「 （そのキャラらしい台詞・いくつでも、シチュエーション不定） 」

名前／　（役職名可）
役職／　（キャラ番号・創作なら童話名）
性別／　（オネエや逆も可）
年齢／　（指定があれば範囲内で）
外見／　（過度でなければ美化大歓迎）
性格／　（濃いもの大歓迎。過度悲愴、過度天然、大人しすぎるなどの受け受けしいものは不可）
得意なこと／　（例：食用キノコの採集、薬草を用いた治療、近接戦闘など、サバイバルに役立ちそうなもの）
苦手なこと／ （例：炊事、戦闘、方向音痴など、他のキャラに助けてもらう部分）
備考／
持ち物（現在）／　（ひとつまで）
持ち物（予定）／　（ひとつまで）


＊「持ち物（現在）」は、次の武器を獲得するまでのサポート品であり、グリム兄弟の最後のパーティーに参加した時点で持っていたものです。それぞれの御伽話に多少関係するものであれば何でも構いません（桃太郎なら「きびだんご」、かぐや姫なら「光る竹」）。チート過ぎなければ、童話らしい不思議なアイテムも大歓迎です。

＊ただし、「外国の民たち」は、「持ち物（現在）」を最初からふたつ持っています。その代わり異国にいる身なので、持ち物を追加することはできません（「持ち物（予定）」の記入は必要ありません）。

＊「御伽の国の国民」は、基本的に、自分の御伽話の舞台地に取りに行くまで、追加の「持ち物（予定）」を持つことはできません。追加の「持ち物（予定）」は、リスクを犯してでも取りに行くと、サバイバルでとても役立つものです。なお、取りに行かなくても構いません。

＊また、『魔女』『死神』『魔神』『雪の女王』は、過度なチート化にご注意していただいた上で、童話を材料にした【能力設定】と、そのストッパーとしての【弱点設定】の追加記入が可能です。【能力】と【弱点】を追加する代わりに持ち物を持たない、ということも可能です。

>午後９時


【滅んだ御伽の国の掟】

＊セイチャルール厳守です。
＊申し訳ございませんが、初心者様は冷遇気味。
＊keepは受理してから24時間、延長可。ただし、ひとつの役柄につき２名様まで被りＯＫ（その場合はＰＦ選定式）。
＊キャラリセ不定期（１度警告）。
＊ドッペルあり。
＊ロルは中〜長（150字〜800字程度）、長過ぎにもお気をつけくださいませ。無駄記号禁止です。
＊規約文を読んだ証として、参加希望を出す際は、「匿名さん」「名無しさん」などの捨てハンを多少変えてください（「匿名」「ななし」など）。
＊本体喧嘩はお控えください。外部のご指摘はまず主へ。荒らしへの対応は無言通報でお願いします。
＊再建トピです。尚、前回参加者様の優遇措置はございません。申し訳ありませんが、もしも再参加して下さる場合も、新規としてのご参加をお願い致します（前回と同じ役柄での参加希望はもちろんＯＫです）。五体投地致しますので……
＊追加設定を随時投稿します。該当レスは、最初の基本４レス、参加者名簿とともに、主レスの末尾に不定期でまとめます。
＊質問はいつでもどうぞ！


◆ドッペル許可に際して

絡みに制限数を設ける方・絡みの新規募集を停止される方は、「名前（現絡み数 / 最大絡み数）」、「名前（絡み募集停止中）」というように、名前欄にその旨を追記してくださると助かります。
例えば絡み最大数が４人、現在絡み中のお相手様が２人いるとした場合、名前表記は「キャラクター名（２/４）」となります。
特に制限数のない方はそのままの名前表記で大丈夫です。



【当トピックの概要】


舞台は、童話の登場人物たちが暮らす「御伽の国」。
その国の王様である創造主グリム兄弟は、ある日突然、童話の登場人物たちを裏切って「皆殺し」にしようとした。

命からがら生き残った「グリム童話の国民たち」と、たまたま遊びに来ていた「別の童話の国民たち」は、その日から、グリム兄弟の殺意に満ちた御伽の国の中で「お尋ね者」となってしまう。

ヒトの骸骨に見つかるな。
彼らは銃火器や戦車を使う。逃げられぬよう脚を撃ち抜いた上で取り囲み、哀れな国民を生け捕りにして、骨の檻に閉じ込める。
檻を載せた、骨の馬引く馬車が向かうはグリム城。そこで国民はガス室に入れられ、毒ガスに悶え苦しみながらじわりじわりと死んでしまう。
ただし、万一上手く行けば、彼らの武器や乗り物を奪うことも出来るはずだ。

獣の骸骨に見つかるな。
彼らには知能がない。ヒトの骸骨とは違い、生け捕りにするということを知らない。
怪物たちは本気であなたを殺そうとする。噛み殺されたり、踏み潰されたり、突き殺されたりされたくなければ、逃げるか戦うかを徹底するしか道はない。
ただし、万一上手く行けば、例えばゾウの骸骨からもぎ取った象牙を加工し、武器にすることも出来るはずだ。

ドラゴンに見つかるな。
彼らには知能がない。その上炎を吐き出す彼らは、ヒトの骸骨や、獣の骸骨など比にならないほどの破壊力を誇り、第一級に危険なのだ。
ただし彼らは、あまりにも知能がないため、グリム兄弟への忠誠心は持っていない。ヒトの骸骨や獣の骸骨、彼らにまで攻撃する。
ドラゴンはただ、本能のままに暴れ狂っているだけだ。だからうまく手懐けるか、完膚なきまでに敗北させて己の下僕とさせてしまえば、味方に出来る可能性もある。

骸骨ガラスに見つかるな。
彼らは御伽の国のあちこちを飛び回り、常に逃亡者を探している存在だ。見つかったら最後、骸骨ガラスがけたたましく鳴いて知らせる声で、ヒトの骸骨や獣の骸骨が寄ってくる。
ただし、骸骨ガラスはグリムの弟の手下。弟王の伝言を、逃亡者たちにこっそり知らせることもある。曰く、「俺の方に寝返って仲間の命を売るならば、お前や、お前の大事な人を、兄王から匿ってやろう」。
グリムの弟への協力を示したら、骸骨ガラスはそのことを他の骸骨に鳴いて知らせる。つまり、モンスターたちに襲われなくなるメリットがある。ただしそれには、骸骨ガラスを通じて常にグリムの弟に監視され、仲間を手にかけねばならないという対価もついて回るのだ。

ひたすら逃げるか、戦うか、グリムの弟に寝返るか。
或いは、「小人の森」の港が封鎖されていなければ、そこからペロー、千夜一夜、アンデルセンなどの外国に亡命できるかもしれない。

己と大切な人の生存を最優先して個人の行動を図るもの、
同じ境遇の仲間たちを助けるべく動くもの、
全ての元凶たるグリム兄弟を殺すためレジスタンスを結成するもの、
生き長らえるために仲間を裏切り対立するもの、
皆殺しにされかけて尚グリム兄弟を信奉し、自ら望んで弟王の手先になるもの──生き様は人それぞれだ。

怪物さまよう広大なディストピアで、食料と安全な寝場所を探し求め、キャンプをし、資材を掻き集め、武器を製作し、次のキャンプ地を考えつつ、日夜敵と戦いながら。
御伽の国の国民たちは、１日１日を命をかけて生き延びる。


要素：童話 / 国家 / ダークファンタジー / モンスター / 裏切り / 助け合い / 絶望 / 祖国崩壊 / 激動 / 迫害 / 粛清 / 亡命 / 難民 / スパイ / サバイバル / 脱出 / 逃避行 / 対立 / 結束 / 打倒国王

＞真夜中になりました


（/当トピックは、有名な『グリム童話』などをモチーフに、「突如崩壊した国家を舞台に、迫害対象となってしまった罪なき者として、政府による粛清から必死に生き延びていく」というストーリーです。

グリム童話要素を楽しむというよりも、絶望的な時代の中での助け合いや裏切りといったキャラ同士の関係性を楽しむ、という狙いの方が大きいかも知れません。
その意味では、「童話要素」はあくまでも彩りを添える程度のものです。

罪なき逃亡者だけでなく、グリム兄弟への反逆者、大切な人を守るため苦渋の決断で他の仲間を差し出す裏切り者、嬉々としてグリムの弟王の手先となるスパイ、などの人生を生きることができます。

また、ディストピアものではありますが、シリアスのみというわけではありません。
ディストピアな世界での、キャラ同士の交流によるシリアス・コメディ・恋愛・友情などをお楽しみいただけたらと思います。

話が無事にある程度進んだら、グリム兄弟出現イベントなどを実施する予定です。

カオスな設定＋恐ろしく長い前置きであること、また再建トピなので、需要があるか果たして不安ではありますが……
大変お待たせいたしました、これにてレス禁解除です。
この世界観をともに追体験し、巧みに拡げて下さる方々を、心よりお待ちしております……！）

（／解禁お待ちしておりました、是非ともⓗ魔女のkeepを宜しくお願いします！）

(/素敵な設定のトピに惹かれ…！よければ魔神のキープをお願い致します。プロフィールの作成に入る前に確認したいことが一つ…魔神はアラジンと同じ童話の認識で大丈夫でしょうか？この点だけお手数ですがご回答願います)

(/レス解禁お待ちしておりました！良ければⓔの赤ずきんをkeepお願いいたします。)

(/解禁お待ちしておりました…！ⓛアラジンの取り置きをお願いしたいのですが、明日・明後日と私用が立て込んでいるため、26日の夜までPF提出期限を延長して頂くことは可能でしょうか…？我儘なお願いで大変申し訳ないのですが、ご検討お願い致します。)

(／ お待ちしておりました！
是非是非狼のkeepをお願いしたいです…！)

>>６様
（/嬉しいお言葉ありがとうございます！ⓗ『魔女』様keep、受理いたしました。
明日18:30まで楽しみにお待ちしております。）

>>７様
（/嬉しいお言葉ありがとうございます！ⓜ『魔神』様keep、受理いたしました。
仰る通り、魔神は『千夜一夜物語』に収録されている『アラジンと魔法のランプ』の登場キャラクターで大正解です！ 原作要素も取り込みつつ、是非>>７様の自由な想像力で素敵なオリジナルキャラクターに仕上げていただければ幸いです。
明日18:30まで楽しみにお待ちしております。）

>>８様
（/嬉しいお言葉ありがとうございます！ⓔ『赤ずきん』様keep、受理いたしました。
明日18:30まで楽しみにお待ちしております。）

>>９様
（/嬉しいお言葉ありがとうございます！ⓛ『アラジン』様keep、受理いたしました。
リアル事情による延長申請、ご丁寧にありがとうございます。もちろんばっちり大丈夫です！是非ゆっくり創作してくださいませ。
26日23:59まで楽しみにお待ちしております。）

>>10様
（/嬉しいお言葉ありがとうございます！ⓕ『狼』様keep、受理いたしました。
明日18:30まで楽しみにお待ちしております。）

(/解禁待ってましたっ!ファンシーで可愛らしい設定かと思いきや、意外とシリアスで私の好みの設定で大好物です！宜しければ、一番好きなヘンゼルとグレーテルのグレーテルちゃんをkeepしていただいても宜しいでしょうか？/)

（ ／. 宜しければティンカーベルのKeepお願いします！ ）

>>12様・>>13様
（/嬉しいお言葉ありがとうございます。
しかし申し訳ございません。規約を読んでおられないことから、この度の参加希望は不可とさせてくださいませ。ご閲覧下さりありがとうございました……！）

（/レス解禁をお待ちしておりました！ぜひともグレーテルのkeepをお願い致します！また兄のヘンゼル様がいらっしゃるため、容姿等兄妹で似せたほうが良い・共通の箇所などがありましたらpf作成の参考に教えていただけると幸いです…！）

>主様

(/12の者です。この度は規約をきちんと読まず身勝手にも行動してしまいすいません…。もし、見逃して貰えるのであれば、グレーテルのkeepをお願いしても宜しいでしょうか…?/)

>>15様
（/嬉しいお言葉ありがとうございます！ⓑ『グレーテル』様keep、受理いたしました。
ヘンゼルと似せた方が良いかどうかについてですが、特にそのようにしなくて大丈夫です！正反対の兄妹もたくさんいると思うので。
明日19:30まで楽しみにお待ちしております。）


>>16様

（/申し訳ございませんが、お見逃しすることはできません。
誠に勝手ながら、参加希望の段階でも、当トピックとの相性は大丈夫か、なりきり経験はどのくらいか、等を密かにある程度類推しております。
また>>16様の記号の使い方と口調に個人的に見覚えがあること、いただいたお言葉から見る相性、今回のようなレスからも、申し訳ございませんが参加不可とさせてくださいませ。閲覧ありがとうございました……！）

【募集枠Keep状況（詳細：>>２）】


ⓩ自由枠（４枠）
　　→ Free

▼生き残った、御伽の国の国民たち

ⓐヘンゼル（男・16〜36歳）
ⓑグレーテル（女・12〜26歳）
　　>>15様keep（→24日19時30分）
ⓒシンデレラ（女・15〜24歳）
ⓓ白雪姫（女・16〜25歳）
ⓔ赤ずきん(女・12〜25歳）
　　>>８様（→24日18時30分）
ⓕ狼（雄/男・１〜８歳/15〜52歳）
　　>>10様（→24日18時30分）
ⓖ青髭公(男・24〜42歳)
ⓗ魔女(女・200〜800歳)
　　>>６様（→24日18時30分）
ⓘ13番目の息子（男・16〜36歳）
ⓙ死神（男・200〜600歳）

▼巻き込まれた、外国の童話の国民たち
ⓛアラジン（男・15〜25歳）
　　>>９様（→24日18時30分）
ⓜ魔神（性別自由・800〜1200歳）
　　>>７様（→24日18時30分）
ⓝ雪の女王（女・20〜200歳）
ⓞマッチ売りの少女（女・14〜20歳）
ⓟピーター・パン（男・14〜20歳）
ⓠ ティンカー・ベル（女・６歳〜18歳）


【重要】

▼ＰＦ作成にあたって

「得意なこと」「苦手なこと」という欄を設けたように、【ディストピアな世界観で自分が活躍できる部分】と同時に、【他の背後様のキャラクターの活躍を引き出すような部分】も持つキャラクターにして下さると幸いです……！


▼規約追記

＊複雑な設定であること、また主個人による運営上の指針から、参加希望の段階・ＰＦ提出の段階で当トピックとの相性に不安があると主が判断した場合、申し訳ございませんが、参加を不可とさせていただくことがございます。
ご了承くださいませ……！

＞18訂正
ⓛアラジン（男・15〜25歳）
　　>>９様（→26日23時59分）

（/大変失礼致しました……！
各募集枠は２名様までkeep可能です（その際選定式となります）。
是非ご参加くださいませ！）

「ほんの少し触れただけで、私の頭の中を駆け巡る想像から外れるほど酷い目に遭わせるハツカネズミはお呼びじゃないの。あの場所にいなければ、私は花びらを千切るよりも簡単にバラバラになっていたかもしれないんだから」

「私だけにとどまらないわ。どれもこれも、後ろ向きな感情ばかりが詰まったずだ袋を引き摺り続けているのよ。腰にぐるぐると縄が巻かれてまるで外せそうにないの。…なんだか、疲れてきちゃった」

名前／赤ずきん
役職／ⓔ
性別／女
年齢／18歳

外見／濡れたように艶やかな黒髪は胸辺りまで垂らしており、癖はなく真っ直ぐなもの。眉下の前髪は毛先がやや梳いている。二重の丸みを帯びた両目は透明で、それでいて鮮やかなツツジ色。顔立ちはどこか雑音や騒動がないに等しい静かな印象を与えながら、ふとした拍子に気丈な要素が垣間見える。肌は白いものの、不健康とは逆で透き通り体つきは全体的に華奢という表現が相応しい。けれども、柔らかな線が女性へ近付く少女らしさを表す。身長160cm。白いレースの襟が付いた黒色のワンピースを着用し、優雅に波打つフレアスカートは膝上まで。袖は長く黒いベルトが腹部に巻いてあるため、ウエストが僅かに強調されている。くびれ部分からターコイズブルーとローズレッドの花が一周しつつ咲いた模様があしらわれ、上下に進むにつれて花の数は減っており花びらが幾つか舞っている。正面のボタンを留めて身に纏い、フード付きの赤いケープは上半身を覆い隠し裾には黒いループ状の飾り。厚手の黒タイツに焦げ茶色いショートブーツを履いている。

性格／感情はどれも欠ける事なく宿っているが、表情の変動が少ない傾向にある。けれども、それは初対面や短い関わりに多いらしく長い間付き合っていればどことなく雰囲気は柔らかいように感じられ、慣れ親しい間柄となってくれば次第に相手へ見せる表情も増えていく。故に、家族や自分の友達など関わりの深い人物へは自然と顔の変わり具合が豊かな様子。人によって異なりはするが思った事を心の内に留める場合がさほど多い訳ではなく、むしろ躊躇わず直球に言葉にしてしまうという事が度々起こる。人見知りをしないからか例え初対面であっても臆さず、気さくな態度で接していく。そこに土足で入り込むかのような度を越して近づく事はないが、すこぶる愛想が良いとも非常に友好的だという態度はあまり見受けられない。精神的な強さを備えているからか、弱った姿を出さず状況の切り替えに必要な判断と行動を考えやすい。ただ、今回の件についてはあまりに衝撃が大きすぎる。

得意なこと／
・果実に対する有毒、無毒の判別。
・傷や風邪などに応じた薬の製造。必要とされる器具と薬草が揃えば手の込んだ薬も作れるが、持ち合わせていないので簡単な物しか今は出来ない状態。
・運動神経を生かした跳躍や逃走。

苦手なこと／
・ 他者へ甘える、頼る事。血縁者の少ない家庭で生まれ育ち、家事や仕事に忙しなく動く母親を見て幼い頃から自分で出来るものであれば極力、行う自立性の成長が早まったのが根本的な理由。また、幼さならではの明確な甘え方を容易く振る舞う年頃でもないたのでいざという時、どのようにすれば良いかが分からずにいる。
・銃器共に機械類の操作。

備考／ グリム童話「赤ずきん」に登場する主人公。おばあさんが胃袋に消えてしまう事も、狼がお腹を切られる事もない「赤ずきん」として御伽の国に存在する眠りの森に暮らしていた。グリム兄弟が開催したパーティに出向き、友人と談笑しつつ贅沢な化粧を施されたケーキにドーナツを味わっていた最中、周囲の異変に気が付き挨拶を始めたばかりのグリム兄弟へ視線を移す。彼らの腕にぴったり収まる薔薇の花束は手から離れた。───地面に何事もなく落ちていく、そのように思ったが違った。瞬きよりずっと早く火炎は上がり、爆風と衝撃を受けた物が構わず飛び散る光景に反射的にテーブルを盾として使ったのが幸運だった。しかし、幸いな命はすぐさまいつ崖へ真っ逆さまになろうが可笑しくない状況へ反抗する暇も与えず変化する。行く先が見えないのか、或いは無いだけかもしれない枝分かれした選択肢の道に立ち、両足は未だ動かないまま。

持ち物（現在）／全長15cmの銀色の刃に飴色をした柄という、大きな特徴を持たず満足に肉を削ぎ落としたり、骨を断つ事もさっぱり出来そうにない果物ナイフが一本。使わない時は革製のケースで刃をしまっている。祖母に作ってもらったバスケットに友達へあげるための焼き菓子と一緒に入っていた。尚、そのバスケット自体は爆撃で形が崩れてしまっている。

持ち物（予定）／全長30cmの鉈。狩猟を行う人物が何人かいたため、赤ずきんの住む家の近隣を探せば銃も見つかる可能性はある。しかし、自分に正しい射撃の知識はなく弾切れの後の事も考えて鉈を選んだ。丈夫な代物で木の枝を切るなど用途を工夫し、十分に扱える。


(/赤ずきんでの参加希望を申し込んだ者です。pfが完成しましたので、確認をお願いします。何か不備などがあればご指摘ください。また、絡む際については人数は名前表記のように。ある程度まで絡み、機会を伺いながら他の方へという風にしようかと考えております。)