赤の女王 2025-10-01 02:40:23 |
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>トゥイードルダム様
(不意打ちのように額に触れた柔らかな感触はまるで夜空にひとつだけ落ちてきた星の光を受け取ったようで、何が起きたのか一瞬分からなかった。だいすきな赤の女王様がくれた祝福と同じ仕草なのに、そこに込められている思いはなんだか似て非なるもののような気がして、自分の中で整理しきれず正体も掴めない情動は淡く戸惑うようにきょとんとした表情に溶けていって。決して不快なものではなく、むしろその反対だったから袖口を柔く掴んでいた手にきゅっと力を込めて「今の…好き」新しく好きなものを見つけた幸運や高揚に自分自身の感情が追い付いていないのか、ぼんやりとした声で、でも内容は真っすぐシンプルに伝えて。自分には少しオーバーサイズの帽子をそっと頭に乗せられて、彼と離れる少しの寂しさを塗り潰すような特別な役割を与えられた気がして、目許はつばで隠れていても口元にふわりと笑みを浮かべる。帽子の重みは軽いのに心の奥には不思議な温もりが広がっていって、まるで彼の手のひらごと預けられたような感覚にとくりと胸が鳴って。「ユリはね、すぐ物を失くしちゃうんだから」帽子のつばに指先で優しく触れ、遊ぶようにくるりと少し傾けて。まるで自分のものにしてしまったかのような仕草で、片目だけを覗かせるように悪戯っぽく彼を見上げる瞳は、秘密を隠した宝箱の鍵穴のように最奥に確かな光を小さく宿して、覗き込む者を誘うようなすぐの再会を願う言葉で締め括って)
>チェシャ猫様
そういう君には俺が何歳か当てられるのかよ?
(ずっと同年代だとばかり思い込んでいたからこその気安い態度だったが、年上と言われるとぱちりと目を瞠って。顔立ちや髭のせいで実年齢より上に見られがちだからこそ言われ慣れていない発言に、気恥ずかしさを誤魔化すように挑発的な言葉を笑い交じりに返して。彼は繊細ではないと言ったけれど、人は鏡が無ければ自分の顔も分からないのと同じで、自分から見たチェシャ猫という存在の印象はまた彼の自己評価とは異なる。とはいえ食って掛かることはせず「じゃあ俺達完璧なコンビじゃねえか」と楽しそうに返すに留めて。彼の家がどんなか想像はついていなかったけれど、きっと何を思い浮かべていたとしてもメリーゴーランドのインパクトには敵わなかっただろう「君も乗るのか?」その設備を指さして彼の顔を見ながら純粋な質問を。あちこちに散らばる玩具はメリーの家とは趣の異なる生活感を醸し出していて何だか微笑ましく、ラジコンの一つを拾い上げてまじまじ観察しながら誰のためのものなのだろうかと思索して。同居人の双子は子供なのか、はたまた〝人形〟の暇を慰める贈り物候補なのか、あれこれ考えながらも口をついたのは「飯に困ったら片付けしに来ようかな」とちゃっかりしたアイデアで。こちらの注意を引こうとする声に顔を向け、反射的に手を出して受け取ったそれを見て「ほんとに女王様が好きなんだな」と愛おしさを含んだ感想を落としてから「ありがとな。助かる」感謝を示すように敬礼のポーズを取って、そのまま手を前にスナップさせるようにして。眠る前の儀式に必要な火が点かなかったら、それはそれで困るが一晩徹夜するだけのこと。深刻さの欠片もない、冗談だけを詰めた軽い口調で)そん時ゃチェシャの枕元に立ってやる
( / こちらこそ大変お世話になっております。紳士的な振る舞いの中に可愛らしさのあるダム様、とっても素敵でした…!最後に帽子を預けて下さったところは背後共々きゅんとしました。素晴らしい交流をありがとうございます…!次についてですが、赤の城の皆さまでしたら黒兎様か赤の騎士様と交流させていただけますでしょうか。今回でも次回以降でも構わないのですが、いつかムカデ様ともお話してみたいなと思っております。差し支えなければ眠れずに夜中のお城をさまよう場面をお出ししますので、主様に不都合なければお申し付けください。)
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