赤の女王 2025-10-01 02:40:23 |
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>芋虫
(整った微笑みと、口元へ寄せられた指先。真摯な眼差しを受け止めていた瞳が、暫しの沈黙を経てふっと満足したように和らげられる。きっとこれからも、答えはもらうものではなく見つけるものなのだろうとも思って。言葉がなくとも伝わった答えにそれ以上は何も重ねず、ラックに残った数冊を手に取るとわ一冊ずつ丁寧に本棚へと戻していく。名前に関するヒントをくれた彼と、呼んでくれた彼と、答えてくれた彼の、皆の優しさを胸の奥で感じながら、ふわりと浮かんでいく本を見送って。さて、二人でやった分比較的直ぐに終わるだろうか、残っているのは彼の手元にあるその本だけに見受けられる。ほんの少し脱線してしまったけれど、最初にしてはよく出来たのではと満足の笑みを口元に浮かばせると「さぁ、先生。これでこの棚は完了かしら?」ラックや周辺の本棚を軽く目視で確認してから問いかけ。)
誘惑が多いけれど、とっても楽しいお仕事ね。喜ぶ本の姿も見られて嬉しいわ
(後ろ手に組んで、ふわりと触覚を揺らしながら朗らかに笑みを咲かせ口にする。もしかしたら今後、ダリアのように本を読み耽って芋虫の彼に怒られてしまうかもそれない、そんな未来を想像しては可笑しそうに頬を緩ませてもいて。)
>大工
(誤魔化せど改めて伝えられる言葉は慣れないもので、片手はポリポリと首元を小さく掻き。酷く甘い声に思わず瞬きしたのは、告げられた事実に漸く事の重大さに気付いたからでもあって。カラコンやマニキュア等ではなく、自分の身体にその色を刻んでいるのだと。装飾や遊びでは断じてなく、魂ごと染まるようなその話に胸の奥がざわめき。それはきっと恐れとかではなく、確かな喜びを感じてのこと。そんなことが本当に可能なのかと不躾にも彼の瞳をじっと見詰める。目の色を変えるのは失明と引き換えな印象がある故に、どうなっているのかと気にしている風に覗き込んではいるが……きっと無意識下では、消えない痕を残す責任と入れてもらえる幸福の狭間で心がせめぎ合っているのだろう。)
__……できるんか?そがいなことが
(この不思議な場所なら実際に可能なのか、そんな単純な問いのつもりだった。けれど、口をついて出た声はやけに艶を帯びていて。永遠に残るだろうからこそ、自分なんかの色を本当に入れて良いのか。入れたなら、此方も離す気も離れる気もないのだぞと試す様な心地も含み。入れる側も入れてもらう側も覚悟が必要だろう。ただ、発言した本人は自分の中に生まれたその感情に気づいておらず、表情も変わらないが。)
はよ入れてもろえるように、精進せにゃぁならんの
(先程までの低い声が嘘のように、歩幅を合わせる彼の隣でけろっとした調子に戻ると息を吐き出すようにふっと小さく笑う。)
……で、大工。あんたの眼ぇ、ほんまは何色だったん。色、入れ過ぎてあんたがわからんなるのは……なんか嫌じゃけ
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