匿名さん 2025-09-07 22:09:43 |
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(彼が自分の申し出を了承してくれたことに安堵し、大きく頷くと席を立って素早く会計を済ませる。店を出て並んで歩き出した彼の横顔を、ひと呼吸分だけ目で追ってから、視線を前へ戻す。夜気が頬を撫でて、さっきまで口の中に残っていたプリンの甘さがふっと遠のいた。ふと彼の歩調がやけに遅いのに気が付く。きっと今日が終わるのが惜しいのだろう。自分も同じ気持ち故に、自然と彼へ歩調を合わせる。駅までの道中は人は疎らで、二人の会話を遮るものはない。だというのに言葉が出てこないのは、先程までの考え事が脳内にチラつくからだった。自分の好きな場所。インドア派だと思われがちな自分だが、休日はアクティブに活動することもある。仕事柄外出も多い。それ故に好きな場所はいくらでもある。そのいくらでもある場所の中から、どれを彼に見せようか。それが悩みの種だった。そんなことを考えていると、ふと気が付くと既に駅に着いていた。これで電車に乗って待ち合わせした駅に着いてしまえば、今日は解散だ。その後は来月まで会えなくなってしまう。ダメだ。ダメだ。切符を買い、ホームで電車が来るのを待ちながら、ようやく口を開く)
一日というのは早すぎます。これでもう来月までは会えないのですから。君といると、仕事も嫌なことも忘れられるのに。最近は新製品の開発とか、海外進出の計画とかで何かと忙しい。君といる時間が何よりの癒しの時間です。明日からも仕事なんて、溜息が出てしまいますよ。
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