匿名さん 2025-09-07 22:09:43 |
|
通報 |
ええ。好きですよ。ふふ、君と行くイタリアン、楽しみですね。
(”俺とまた行きましょう”なんて言葉が耳に入ると、思わず顔を上げる。そしてふっと頬が緩み、大きく頷く。頭の中で何度も彼の言葉が響き渡る。俺と、俺と、俺と。そうだ。自分は普段行かないイタリアンに心踊っている訳ではない。彼と共に来ていることに心躍っているのだ。純粋に食事を楽しめているのは、彼と空間と時間を共有しているからに他ならない。これがいつも通りの会社の役員や取引先とであれば、自分はここまでイタリアンを楽しんでいる訳はない。仕事中はどんな時も無表情を心掛け、決して感情を悟られないようにしてきた。感情を表す器官は極力動かさないように意識をして、”彫刻”なんて陰口もたたかれている。そんな自分が、彼といる時は素でいられるのだ)
なるほど……これはタリアテッレと言うのですね。よしよし。覚えましたよ。湊くんが好きなパスタの味も。
(彼が取り分けてくれた皿を礼を述べてから受け取ると、彼の説明に耳を傾け、よくパスタを観察する。細長いリボン状の麺で、イタリアンに疎い自分でも見たことのある形状の麺だ。頭の中にパスタの名前と?の形状を記憶する。そして、彼の好きなパスタの味も。後者と結び付けておけば、よく記憶できるに違いない。彼のことは何だって知っておきたいから。パスタを一口食べる。コシが強い麺にきのこソースがよく絡み付いていて、とても美味だ。続いてピザにも手を伸ばし、一ピース取ると口に含む。咀嚼するとまず最初にトマトの甘みがした。続いて他の野菜が口の中で溢れる。野菜特有の甘みのおかげで、何個でも食べれそうなくらいだ。やはり彼の言う通りこの店はトマトがとても美味しい。口を拭いてアペロール・スプリッツを飲むと、彼へまた視線を戻す)
イタリアンとは、こうも美味しいものなのですね。今まで未開拓だったのが悔やまれますよ。でも、初めてが君とだったのはラッキーでしたね。
| トピック検索 |