匿名さん 2025-09-07 22:09:43 |
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んぇ……? あ、ああ、そうですか。それは……嬉しいですね。
(彼の何気ない一言に思わず顔を上げて反応してしまった。しかも間の抜けた声と共に。一瞬、おわれた意味が理解できなかったが、"そういうこと"だと理解すると、間の抜けた声で応答してしまった羞恥心と、彼にそんな風に言ってもらえた嬉しさにより、アタフタとしながらも返事をする。10も歳上なのにスマートに返事の一つもできなかった自分を恨みながら、恥ずかしさを紛らわせるように小鉢からひじきを摘む。そこからはもう無言で、ただひたすらに箸を動かすことしかできなかった。まるで授業中の失敗を気にして周りと目を合わせないようにしている中学生かのように、彼の方を向くこともできずにちらし寿司を口に運ぶ。相変わらずちらし寿司は美味い。だが敏感に味を感じ取れるほど、今の自分には余裕がなかった。30過ぎてこんな稚拙な対応しかできない自分が情けなくて仕方ない。普段ならばもっと円滑に解決できるはずだが、彼絡みのこととなると途端にどうしたらいいか分からなくなってしまう。自分の頭はポンコツになってしまうようだ。そうして黙々とちらし寿司とひじきを平らげてしまうと、お冷を一瞬で飲み干し、コップを机に置いて呟く)
……美味しかったですね。その……私も同じように思っていましたよ。君と食べると、美味しく感じると。
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