胡散臭そうな男 2025-07-25 23:01:02 |
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( 酒は好きだが特段に強いという訳でも無く、ましてや久しぶりだし、書類作成で寝不足なのもありいつもよりも早い段階で思考が鈍っていくようで。
今でも変わらず真面目だと言われると、「そんな事ないで」と笑って首を振った。そして、相手の持つグラスに視線を移しながらカクテル言葉について聞くと、相手の柔らかな笑みにつられてこちらもゆるりと口角を上げ「 そらええなぁ。事務所の名前もそれに変えたろかな。」なんて嬉しそうに冗談を1つ。
その後は、テーブルに頬杖をついて、事務所を立ち上げた時のことをなんとなく思い出したようで、ぽつりぽつりと続けた。)
…俺な、別に今は真面目な訳とちゃうし、ちょっとやさぐれた時期もあったけど…、自分が辛かったからって他人に当たるのは違うと思ったんよ。
だから俺は、自分がして欲しかったことを他人にしてやれる奴になりたい。
──正直な、俺かて誰かに助けて欲しいって思うこともあるけど、期待すんのは…怖い。から、見返りとか、優しさを返してもらおうとか、考えへんようにしてんねん。
(自分には誰かの優しさが向くことは無かったけれど、自分から優しさを向けることはできる。それに気づけた自分自身の事は誇ってもいいぐらいだと思うけれど。でも、心の奥底ではきっと、与え続けていればいつか報われる時がくる、と期待しているのかもしれない。だけれどいつも笑顔を張りつけて、依頼人からの“ありがとう”で十分だと言い聞かせてきた。また欲張ってから回って、寂しくなるのは嫌だから。
俯きながらゆっくり酒を飲んでいると、ハッと顔を上げて「い、いつもゆうちゃんには寂しい寂しいって甘えてばっかやけどなー」と少し重くしてしまった空気を明るくしようと笑いかけた。)
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