匿名さん 2024-12-07 14:41:27 |
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( 海の魔女に与えられた足で一歩、また一歩と進むたび、自らの意思でタイムリミットを縮めているような気分になる。早く、早く、でもどうやって。思考を巡らせるほど視界が霞んで水中にいるような錯覚に襲われ、咄嗟に階段の中央で立ち止まる。もし見つけられたとして、私に名前を呼ぶ資格があるのだろうか。……師の苦しみを癒せる言葉が言えるのか。今更、貴方の失望を覆せなどしないのに。真に師を慮るなら、師と慕うほど大切な存在であるのなら、大人しく泡に還る事が唯一の償いだ。人魚だった頃のもう一人の自分が、ゆらゆら尾を揺らし背後から首元へと抱きついて耳元で囁く。幻聴に言い返す言葉もなく静かに唇を噛み、咄嗟に瞳を瞑って視界を暗闇に逃す。……会えない。会うことが、恐い。だってわたし、会ってしまったらきっと。──思考の渦に引き込まれる瞬間、鈴の音の声が錯覚も幻聴も消し去り間一髪我に帰った視線の先に、一輪の花が咲いていた。「 リリ、アンヌ様……? 」 自分でも驚くほど頼りなく揺らいだ声で名を呼ぶと、裾をつまみ思わず駆け寄って。どうして此処に、だって今頃貴女は大広間で陽光の王子の手を取っているはず。少しばかり疑問符が浮かぶものの、変わらぬ暖かさを宿す問いにゆっくりと息を吸い込み、何とか探し人を告げるが上手に笑顔が作れない。それどころか未だ罪悪感が支配する心では呪いが邪魔をして師を見つけることすら儘ならない。震える指先を誤魔化すように手を強く握るけれど、道を見失った子供のような表情では自身の弱さをもう隠し通せなかった )海の。魔女、様を。探し、に。──……でも、今の、私の目では、見つけ、られなく、て。
(/此方も再度スペース失礼いたします、まずは素敵なお返事をありがとうございます!王子を袖にしてでも会いに行く、女の子の友情が大好きな背後としては大変好みかつ、確かにリリアンヌ様なら其方を優先するだろうという納得感も十分の展開ですのでどうぞご安心ください…!(コーデリア誘導後、是非ともテラスで黄昏れるアレックスを書けたらいいなとも思いました…不憫属性なアレックスも大変美味しいのでお気になさらず◎) またコーデリアが大変重たく湿っぽく、リリアンヌ様やレヴィ様に再びご迷惑をお掛けするかと思われますが、もし宜しければ結末までお付き合い頂けますと幸いです……!それでは失礼いたします◎)
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