匿名さん 2024-12-07 14:41:27 |
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( ──最後の最後までどう転ぶか分からない、それこそが運命であることを重々承知した上でそれでも此方へ微笑む前に飛び去った幸運の女神相手に、はあ、と、嘆息を吐き広間の窓際で天を見上げる。「 先約がいたんじゃなぁ… 」使命感に満ちた瞳で立ち去る姿すら彼女らしいのだと惚れ直す己を思い返しては熱を帯びる顔を覆い。あの後押し寄せる姫君達を躱し、失恋を目撃した友人達に取り囲まれ見事な玉砕だっただのと好き放題言われたがまぁ全て良しとしよう。……それでも多少ダメージを喰らってはいる、のだが。時期にやって来た兄に後は任せてくれていいのだぞ、と渡された慰めの一杯にも口をつける気は起きず。物憂げにシャンパンに視線を落とした瞬間、突風に何事かと観衆の中へと戻り顔を覗かせた視線の先に、憂いが晴れた海の魔女とやっと帰る場所を見つけた表情の少女がふたり。穏やかさの中に不安を幾つも隠していた彼女の表情は涙に濡れつつも明るく、しかと抱き留める魔女の姿に、彼女と出逢って以降友情を築きながらも心につかえていた違和感がはらはらと溶け。『 驚いたな。彼女はてっきり… 』背後で呟いた兄の声が耳を掠めながらも今まで起きた無数の出来事同士が己の脳内でゆっくりと繋がる。──嗚呼、今目の前にいる二人は、きっと。「 結末はいつも誰もが幸せに終わる、だったな 」静かな嘆息と共に漸く見つけた彼女の言葉を借りて小さく呟くと、神の祝福という言葉を宿して舞い散る蒼い奇跡へ向けてグラスを掲げ。騒めきが止む一瞬の隙をついてひとたび観衆の目線を奪ってしまえば、後は己の独壇場。これはかつての偽りの享楽主義者でも救済者でもない、一時でも共に過ごした第二王子のお節介。これまでも、そしてきっとこれからも二人に起きた事を知る事は無い。例え知る事が出来たとて其処に生まれた想いは〝彼等だけのもの〟。漸く想いを遂げ実を結んだ愛が決して侵されないよう、このホールを舞台に一芝居といこうか )どうかご安心下さい! この風と蒼き薔薇は、皆様を日々見守る天からの祝福。……私がただ一人の兄と再び手を取り合えたように。この先何があろうとも、皆様をこの国を遍く全てを末永く見守り、愛し続ける事でしょう。───さあ、この素晴らしき日に万雷の喝采を!
( 彼等に向かう視線は瞬く間にホールの中央へと移り、楽団によって再び演奏は再開される。やれやれと額を抑えながらも優しく見守る兄に耳元で「 それじゃあ後は頼みました。……任されてくれるのでしょう? 俺の愛しい兄上 」と囁きウィンクと共に足早にテラスへ退散する。少女もまた上手くホールから逃れ二人の時間を楽しむ事だろう。何せこれからはあの海の魔女が傍に寄り添うのだから。──そよ風が砂色の髪を撫で喝采に熱った身体が冷める頃、ひとり佇む貴女に思わず足を止める。彼女に寄り添う筈の先約が居ない状況に心内に何とも言い表せぬ戸惑いが宿り。偶然、偶々、席を外しているのやもと思考を巡らせ、他者の恋路を邪魔するなど王子の面汚しと暫く葛藤し悩みに悩んだ末に、昔からの顔馴染みとしてそっと声を掛けて ) 今日の満月は見事だが、そう眺めていては身体を冷やすよ、リリアンヌ。
(/ お世話になっております。長期に渡ったコーデリアとレヴィ様の物語の結末までお付き合い下さりありがとうございました……!此方こそお返事のペースが安定しない事が多く、描写も推敲不足による粗や、多くの路線変更が目立ったことかと思いますが根気強くお付き合い下さり本当に幸甚の極みです……。呪いによる表現等も背後様の多彩な表現力や巧みな構成のおかげで思い付いたものであり、沢山刺激を受け胸が躍る日々でした!改めてお礼を申し上げます、お疲れ様です…!ありがとうございました* *
残る王子&姫君パートのロルですが、まずは素敵な案のご用意ありがとうございます!悩んだ末に『二人を完全に信頼し途中で離席した』リリアンヌ様が余りに最高でしたので②をベースに作成いたしました…!(一部背後の技量が追いつかず、歓喜と喝采で上書きし注目を逸らす内容にアレンジさせて頂きました) 加えて二点事前連絡ですが、一点目に >96 のお断り直後の様子を描きたかったため長文となり、今回分割ロルにてお届けしておりますが前半は丸ごと読み飛ばして頂いて大丈夫です◎ 二点目に、後半のロルにてリリアンヌ様が既にテラスにいるものとしてほぼ確定気味に声をかけておりますが、返しづらさ等感じられるようでしたら修正いたしますのですぐにお申し付けください。それでは、いよいよラストとなる王子&姫君パートも宜しくお願いいたします……!(特にご相談等無ければお蹴りください◎)
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