トピ主 2024-07-26 06:44:45 |
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カルロス…ですか?ええと、彼は…顔は良いですけど、ちょっとおバカで、変態で、剣もダメダメで……う~ん…言葉に表すと難しいですね。ただ一つ、はっきりと言えることがあります。彼は誰よりも優しかったです。
(不意にカルロスについて尋ねられると、クレアは暫し苦い表情で固まった。当然、カルロスのことを片時も忘れたことはないが、だからこそ自ら心の傷を抉るような真似をしたくはないのが正直なところである。しかし、レドの真剣な眼差しを見て、きっと彼にとって必要なことなのだろうと意を決すると、ついに重たい口を開いた。何年も連れ添った、隣に居るのが当たり前だった半身とも言える恋人を言語化するというのは思いのほか難しく、クレアはたどたどしい様子で思い立った特徴を一つ一つ挙げていくが、咄嗟に出てくるものと言えば悪いものばかりである。事実であるのだから仕方ないが、これは不味いとクレアは唸りながら小首を傾げ、今一度カルロスについて考える。自分はカルロスの何処に惚れたのか…長考の末に一つの結論に辿り着いた。「優しさ」、それこそがカルロスの本質である。辛い時に常に寄り添い、求めている言葉を掛けてくれる。クレアにとって、勉学や腕っ節などどうでも良いと思える唯一無二の魅力であった。)
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