継 2024-04-18 08:43:30 |
|
通報 |
【音の行方】
短い話でも良いと聞いて投稿させて頂きます。
流行りの感染症にかかってしまい、私は1週間ほど学校を休んでいました。
久しぶりに登校して、授業を受けて、そして放課後。
私は吹奏楽部でクラリネットを担当していたので楽器ケースを持って小走りに音楽室へ向かいました。
日直もあり、職員室で仲の良い先生と少しお話が弾んでしまったのでいつもの時間に行けなかったからでした。
扉越しからでも聞こえる、楽器達の音色がどんどん近付いて、皆と合わせ出来るの嬉しいなあ、なんて。
ちょっと自分でも笑っちゃうくらい足が速くなって、勢い良く扉を開きました。
『失礼します、遅れました』
明るい声音で挨拶をして、先ず気付いたのは──風通りの良さ。
視界には誰一人、…演奏をしてる人影一つ見付からなくて。
通り過ぎそうになった保健の先生があら、という声と共に足を止めて言いました。
吹奏楽部は今日は他校との交流練習にお邪魔してるから誰もいないのよ、って。
なら私が聞いたあの音は何だったのでしょうか。
打楽器の重低音も、金管楽器の不安定な音も、伸びやかなで繊細なバイオリンの音も、全部全部聞いて中に入ったのに。
霊とか関係あるんでしょうか。私は自分が霊感がある方では無いと思ったから、今でも信じられません。
| トピック検索 |