潮風香る青春LIFE【学園/青春/日常/一部人数制限有】

>>ALL

──完璧。

(放課後。生徒会執行部であるSpringの教室の扉を閉め切った状態で一人、屈んだ状態から上体を起こせばぽつりと一言。顔つきは普段と変わらず無表情のままでありながらもどこか誇らしげで。また表情と同様相変わらずの全く生気のない瞳に映すのは、隅々まで抜かりなく清掃、整理整頓された部屋、加えて丁寧に時間をかけて磨き上げられた机や椅子といった備品達。彼女がこうしてこの教室を完璧と言える状態までに綺麗に仕上げるのは毎日の放課後の習慣になっている行為である。理由はただ一つ、『上総様がいつこの場所を訪れたとしても、不自由なく心から快適に過ごせるように』というもの。ついでに他のメンバーもきっと心地よく過ごせるだろうし、こんなに出来の良い舎弟を持つ兄貴分の株も当然上がるというものだ。そしてたった今屈んだ状態でいたのは、普段上総が使用している座席を磨き上げていたからだ。この座席は毎度一番最後に、最も時間を費やして仕上げている。心から愛情を込めて。優しい手つきで椅子の背もたれの縁に指を滑らせた後、長らく閉め切っていた教室の扉を開け放つ。そして次に換気の為開いていた窓を閉めようと歩み寄ると、清掃に没頭していた為に今の今まで忘れ去っていた寒さが一気に身体を襲い、慌てて窓を閉めては己の身体を両手で抱くようにして。この瞬間でさえ真っ先に思い浮かぶのは敬愛する相手のこと。上総様は今寒さに震えていないだろうか、この後ここにいらっしゃったらすぐに温かいお茶をお出しして、業務に一切の支障をきたさないように──私の体温で温めて差し上げるのも……と思考が些か危険な方向へと転換しだした瞬間、ハッと何か思いついたように上総の座席に視線を向け。今この椅子は冷えてしまっている。上総様をそんな物に座らせるなど言語道断。ならば、予め温めておく必要があるのでは？──ゴクリと唾を飲み、数秒後。椅子を引けばゆっくりとそこに腰を下ろして口を開き)

上総様……どうか、ご安心を……。


(/主様、この度は参加許可ありがとうございます。よろしくお願いいたします！
そして皆様はじめまして、>>59、音無寧々の背後です。早速ですがALL文の方を投下させていただきます。お相手していただけたら大変嬉しく思います！
また、現在『寧々の保護者的な存在(性別、学年、付き合いの長さ不問)』を募集中です。
よろしければ是非お気軽にお声がけいただければと思います…！よろしくお願いいたします。)