……うん?…ふふ、案内してやると良い。 (数百年ぶりに少し浮き足立ち、境内の中をうろうろと彷徨いていると─木々のざわめきと眷属が一匹、樒が山へ入ってきたことを告げる。どうやら迷っているらしい、との話を聞き─教えてくれたその眷属を指先で拾い上げ、微笑んだ。眷属は従順に自身の指先から滑り、白い着物を纏った幼子の姿に変化した後、鳥居を出て石段を駆け下りる。その背中を見送り、手持ち無沙汰に髪の先を指先で弄って)