ビギナーさん 2024-02-05 22:29:16 |
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…箒は何処へやったかな。
(眷属達が木立の中へ消えて行った少し後、ふと本殿の掃除を思い立って腰を上げる。朱色の剥げた鳥居に立て掛けていたそれを手に取り、本殿の床を軽く掃いた。それなりに片付き、箒を置きに戻った時─眷属の中の一匹が腕を静かに這い上がってくる。どうかしたのか、と思って彼の声を聞けば、どうやら以前のあの人間がまたここの近くへ来ているらしかった。また来い、と言った約束を守ったという訳でも無いだろうが─少し嬉しくなり、人間の訪れを大人しく待っていて)
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