…ふむ…それならば、物の怪かな。 (人間が立ち去って、数日程経った後─本殿の周囲に集まった眷属達から話を聞いていたが、顎に手を当てて考え込む。ざわめく木立の声に耳を傾け、素足で地面を軽く蹴った。この山には、自身以外にも"移ろわぬもの"が多く居る。大方その中の誰かの仕業だろう、と見当を付け、手掛かりを探るよう眷属達に言い付けた。途端、我先にと地べたを這いずり、木立の中へと消えていく眷属達を見送って)