ビギナーさん 2024-02-05 22:29:16 |
通報 |
…ほら、早く行くと良い。
(板切れに躍る文字列が、見知ったものへと戻るのを確認した後─人間から少し離れる。赤い瞳を三日月のように細めれば、肩から眷属がゆったりと滑り降りていくのに合わせて白髪が揺れた。地面に草履の底を擦るようにして本殿へと戻り、草履を脱いで再び縁側へ腰を下ろす。膝の上へ肘を乗せ、頬に手の甲を添えて─優しく微笑んでみせた。眷属達は早く出ていけ、と言わんばかりに鎌首を擡げて人間を威嚇しているが、この人間は面白い。そう思えば、立ち去る背中へと声を掛けて)
…人と話したのは久しぶりだよ、また気が向いた時にでも…ここにおいで。
トピック検索 |