スレ主 2023-12-10 17:44:55 ID:896f7f474 |
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>ことも、ALL
【廃屋敷/リビング/狩人】
振り下ろしたノコギリ鉈は頭部を叩き割り、再び大きく出血させた。十分な手応えだ。しかしまだ倒せてはいないらしく、追撃の為腕を引いてノコギリ鉈を戻そうとする。しかしそこで狩人はその刃には何か白いものが登ってきている事に気付いた。それが飛びかかってきた瞬間、反射的に短銃を発砲した。短銃はその名の通り銃身が短い為、取り回しに優れる。故にこうした至近距離の突発的な状況にも対処がしやすい。
発砲後、割った蟷螂の頭から同様の生物が湧いて出る光景を見て理解した。先程の生物は寄生虫の類いで間違いなさそうだ。狩人の経験則からすると、寄生されている獣には火が有効である。火が体内の寄生虫ごと焼き殺し、それが飛び出す事を防げるからだ。狩人は武器に炎を纏わせる発火ヤスリの使用を考えたが、しかし戦闘の最中にこの廃屋敷に引火する可能性を考慮して、1匹ずつ寄生虫を狩る事を選んだ。
2匹の寄生虫の内、1匹は足元に這い寄り、もう1匹はこちらではないどこかに移動しようとしている。恐らくこの場にいると思われるもう一人──記憶通りなら赤いリボンの少女(ことも)が隠れている場所──の方に向かったのだろう。年齢の割に聡明で落ち着いた彼女であれば取り乱す事は無いと思われるが、しかしこうした脅威にはおそらく相応に無力な筈だ。迅速に眼前の寄生虫を斃し、向こうに行った寄生虫を斃し、そして未だ死んではいない蟷螂そのものにも対処する必要がある。
まずは上体を捩り、少女(ことも)に向かう寄生虫目掛けて1発、さらに万が一に備え追加でもう1発。合計2発の水銀弾を撃ち込む。振り向く際に、転がった石ころと距離を離そうとする少女(ことも)の姿が見えた。冷静に眼前の状況に対処しようとする彼女はやはり聡明である。
次に、先程向こうの寄生虫に対処した分ある程度足元の寄生虫が接近して来ている事を考慮して、後方に小さく飛び退きつつノコギリ鉈で足元を薙ぎ払う。
最後に、攻撃に移る前に狩人は一瞬思案する。このままノコギリ鉈で攻撃すれば、体内に潜んでいるかもしれない寄生虫が先程と同様に飛び出てくる可能性がある。ここは秘技を使い、寄生虫ごと蟷螂を刺し貫いた方が有効であると結論付けた。ノコギリ鉈を再びノコギリ形態に変形させつつ腰に下げ、同時にポケットから青いナメクジのような生物──精霊。上位者の先触れである──を掴んで、右手を蟷螂の前に突き出した。瞬間、狩人の手から無数の触手が前方に向かって放出された。エーブリエタースの先触れ、それは精霊を媒介として上位者である“星の娘、エーブリエタース”の触手を召喚する秘技である。ほんの一部とはいえ、召喚されるのは上位者の肉体。その威力は折り紙付きである。そして、この地に於いてもエーブリエタースの触手は狩人の召喚に応じ、望む効果をもたらした。
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