スレ主 2023-12-10 17:44:55 ID:896f7f474 |
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>早川アキ
【墓地/キアナ・カスラナ】
霧が立ち込める墓地の中で、キアナはゆっくりと目を開けた。白髪が湿った霧に覆われ、いつもよりもさらに冷たく感じる。頭の中に響くのは、わずかな痛みと、不安の兆しだった。息を深く吸い込み、静かに体を起こすと、手元の大剣が無事であることを確認する。そして、その重さとどこか頼もしい感触がキアナに安心感を与えた。
「大丈夫、先生がついてる……」
キアナは小さく呟いた。だが、その安心感はすぐに消え、心の中に疑念が湧き上がった。周囲を見渡しても、霧の中で何も見えない。ただ、薄暗い墓地が広がっているだけ。この場所がどこなのか、何が起こっているのか、全くわからない。
「まさか、あいつらが……いや、違う。あの時、終わらせたはず。」
キアナは自分の言葉に耳を傾けながら、手にした大剣をしっかりと握り直した。千人律者を倒し、あの戦いを終わらせたはず。だが、どうしてこんな場所にいるのか、そしてあの戦いの後に何が起きたのか、全く思い出せない。霧の中の不安定な空気が、何か大きな問題を示唆しているような気がした。
そして、キアナは足元に注意を払いながら、慎重に歩き始める。石畳を踏みしめる音が耳に響き、冷たい風が肌を撫でる。それでもキアナは歩き続ける。
しばらく歩いていると、霧の中にぼんやりとした人影が見えた。最初は幻想かとも思ったが、確かに動いているのが分かる。
「一か八か、接触してみるしかないね。」
キアナはその人物の方へと足を速めた。敵か味方かは分からない。ただ一つ言えるのは、ここで一人ではいられないということ。
>ALL
【自然公園/星見雅】
しんと静まり返った空気の中、湿った土の感触が雅の肌に伝わる。冷たい霧がゆっくりと流れ、白いヴェールのように視界を覆っていた。
雅はゆっくりと目を開けた。ぼんやりとした光が霧越しに差し込み、樹々の影がゆらゆらと揺れている。見上げれば、街灯の細いシルエットが霞の中に浮かんでいた。どうやらここは公園のようだ。
だが、見覚えがない。
「ホロウ……ではないな。だが、新エリー都の一部とも思えない。」
霧の中、雅は立ち上がりながら少し足元を確かめる。土の感触がしっかりと伝わり、歩くにしても足元の不安はない。しかし、この静けさには違和感を覚えた。
冷たい風が頬をかすめ、雅は一度深く息を吐いた。周囲に立っているのは、無人の公園。歩道に足を踏み入れると、霧が足元でゆっくりと動き、何かが自分を包み込むような感覚に襲われる。だが、今はその感覚に動じることなく、冷静さを保ち続けることが重要だった。行動を急ぐべきでもないし、無駄に慌てるわけにはいかない。
「まずは情報を集めるのが先決。」
雅はその一言を心に刻み、周囲を慎重に観察しながら歩き始めた。霧の中、視線は木々や街灯に向けられ、少しでも手がかりを見逃さないようにしていた。
(/遅くなりましたが、絡み文を投下させていただきます。雅はALLですので、お気軽にどうぞ。また、キアナの方は絡ませていただきますが、何かご要望があればお知らせください。)
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