スレ主 2023-12-10 17:44:55 ID:896f7f474 |
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―異様な程の濃さの濃霧、そしてそれに畳み掛けるが如く延々と遠くまで、漂い、舞っている細やかな灰の粒子。
それらが織り成す視界不良は、まるで意図的にこの中で繰り広げられているこの世の物とは思えないような悪夢の数々を覆い隠すかの様にすら思えてしまう、少なくともその只中に故意にせよ不本意にせよ(飲み込まれ)た全ての者にとっては
既に四度繰り返された悪夢は――果たして終着に至る事が出来るのだろうか?
――
―
【BAR・アシュリー(店内)/ダグラス、ジム】
(カンカンカンと板切れをドアに、窓に、一心不乱に釘で打ち付けていく音――昔ながらのレイアウトの古びたBARに、命からがら駆け込んできた二人の男が、彼らが其々(追って来る)、何かに対して備える様に即席のバリケードを拵えていく。―――十数分ほどでそこそここの酒場の守りを固めた後、二人の男の内の片方、やや猫背気味の地下鉄職員の制服と帽子を被った黒人系の若者…ジム・チャップマンは緊張の糸が切れた様に、バリケードを背にへたり込む様に座り込んで悪態をつく。)
ジム「畜生め! ジーザス! なんだって、こう、“立て続け”に、こう、なん、だ、ろう、なぁっ!」
(一方、もう片方の白人の壮年の男、火事場から着の身着のまま逃れた、しかしそれですら割かしサマになっている様なノワール物の無頼めいた私立探偵の彼、ダグラス・カートライトは即席のバリケードを築き終えるなり、酒場のカウンター、カスタマーエリアからバーテンの立ち位置辺りに歩み寄ると、何やら物色し始め…目当ての物を見つけ出す。治安が悪いのかどうかは不明だが、大体暴動めいた諍い事の現場になり易いこの手の場所ではトラブルメイカーや暴徒やらから客と店を守らなければならない事が多く、直ぐ手の届く場所に――あった)
ガチャ
ダグラス「ツイてる。」
(カウンターの裏に備えられていたスペース、そこに掛けられていた比較的短銃身の12ゲージのポンプアクション式ショットガン、フォアエンドを軽く引いて薬室の状態を確認し、続いて取り出したショットシェルの入った厚紙箱から数発無造作に掴み取り、慣れた手つきで装填しポンピングする。)
ジャゴッ!
ジム「……本当にツイてたら、あんな(奴ら)に追われてこんな所に立て篭もったりしてないってば。」
ダグラス「外で生きたまま貪られるよりは幾段かマシだと思うが?――逃げ場があっただけ幸運だろう。」
ジム「贅沢を言ってるつもりはないんだけどねぇ?オレとしては…」
そんな微妙に噛み合わないやり取りをしながら―――二人の男は、片や不安げな視線を、片や険しい視線を、この得体の知れない街の得体の知れないモノが蠢めいているであろう濃霧へ向ける。
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【南部住宅街/マーフィー・シーカー】
――
―
マーフィー「ハァハァ…畜生、俺とした事が」
霧の立ち込める住宅地の一角、その玄関先に仰向けで倒れ掛ける形になっている緑と黒を基調とした背中と肩章に(白と赤の傘のロゴ)が入った戦闘服姿の一人の兵士の様な格好のニット帽の男、その右脇腹からは血が滲んでおり、玄関の床を赤黒く染めつつある。―ベストのポーチから取り出した止血用の個人装備のガーゼを押し当てて血を止めようとしているが中々止まらない様子だ。
濃い血の匂いが周囲に漂う…
――血は香り立ち、惹かれた有象無象の(異形)を誘う事になるだろう。
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【路地裏/雛沢・加奈江】
べきっごきゃ■■■――ずる…ずる…
肉と骨を砕き血を啜る音が――霧に包まれた路地裏に響く。
転がる複数のヒトガタの(怪物)の屍、どれも酷く損壊している様子のそれらの上に座り込み
一心不乱に真っ赤になりながら血を啜り続ける一人の少女。
滴る血に染まる前から染まっていたらしき何処かの学生服は時間が経った様に赤黒く変色し――まるで元からそういう色であったかの様な有様だった。
――ずる…ずる…
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【廃屋敷/リビング/ことも、屍人×1】
たったったった
軽い足音を立てて、霧の中を駆けていく小さな人影、背負った小さなうさぎのリュックが揺れる。
どこか動き慣れた様な身のこなしで――しかし途方にくれた様な疲れの見える足取りで荒れ果てたやや和風の廃屋敷の敷地内…そしてその屋内へと躊躇無く入って行く。
ことも「……ここは、わたしの“まち”じゃない。」
―思わずそう口に出してしまう幼い小学生低学年ほどの少女(ことも)だったが……
不意に感じた悪寒に息を止めて…リビングの棚の陰に隠れる。
??「う~やま■い~も■うしあ~げる■■■■」
喉が詰まった様な濁った声で、不明瞭な歌らしきモノを口ずさみながら…引き摺る様な足音と共に
何かが屋敷の奥からリビングに歩いて来る。
―明らかに其れは(人)では無い、嘗てはそうだったのかも知れないが…
ぼろぼろで赤い染みでよごれた割烹着姿の女性(屍人)―手には出刃包丁を持ち――顔は…目元や口から赤い何かを垂れ流し、血の気の無い青白い顔はにこやかで、しかし目は焦点が合わずギョロギョロと在らぬ方向を見ながら上機嫌そうに歩いて来て――
??「か~ごめか~ご~め~■ンッフフ かぁごのなぁかのとりぃは~■いつい~つ出やぁるぅ■夜ぉ明けぇのぉばぁんにぃ■んっふふ■■あらぁ■明る■い■わねぇ?」
と歌う様に楽しげに口にしている。
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【廃雑居ビル/2F/ニコライ・ジノビエフ】
霧の立ち込める街中に存在する放棄された雑居ビルの一フロアにて…
数回の銃声と、打ちっぱなしのコンクリートの床に数発分の空薬莢の転がる小気味良い音。
そうして数拍遅れで倒れ伏せる誰か…緑と黒を基調とした背中と肩章に(白と赤の傘のロゴ)が入った戦闘服姿の兵士の様な格好を(撃った方)も(撃たれた方)もしており――まるで仲間割れか何かがあった様な有様である。
???「――軍…曹…やは…り、お…お前は…」
ニコライ「………………」
撃たれた兵士はそのまま息絶えて絶命する―― 一方で撃った銀髪の兵士(ニコライ)は今し方、撃ち殺した兵士の死体から幾らかの(資料)を漁って奪うと何食わぬ顔で踵を返す。
――
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