スレ主 2023-12-10 17:44:55 ID:896f7f474 |
通報 |
(/返信を滞らせてしまい大変申し訳ありません。お知らせの件についても、事後ではありますが承知致しました。私も主様の方針に全面的に従う所存であります。若輩者ですが、こちらこそ改めて宜しくお願い致します)
>130 ことも、アリ、ALL
【廃屋敷/リビング】
狩人の視線を、突如現れた閃光と拡散せずに真っ直ぐ進む赤い光が遮った。続けてこちらに向けられたであろう男(アリ)の声が響く。霧の揺らぎを見逃さぬように、敵がいると思われる場所を視界に入れつつ声がした方向へ視線を向ければ、見慣れぬ服装に加えて見たこともない銃を持った男(アリ)がそこにいた。隙の無い、場馴れした所作からして戦術に長けた者だろうか。少なくとも理性を保った人間の可能性が高い。しかし少々不味いことになった。ここには不可視の敵がいて、今まさに相対している最中だ。おそらく彼(アリ)はこの敵に気付いてはいない筈。となれば敵が攻撃を仕掛ければ彼(アリ)は奇襲を受けるのは確実。ならば、彼(アリ)に身の危険を伝える必要がある。かつて自分自身もヤーナムの地でとある狩人狩りに助けられた身、助けられる者ならば助けるべきだと考えていた。
侵入してきた男(アリ)が狩人に声を掛けつつ歩み寄れば、狩人の周囲とその男に向かうようにして揺らぎ始めた。最早猶予は無い、“彼方への呼びかけ”を使うしかあるまい。そう判断してからは早かった。まず男(アリ)に「不可視の敵が潜んでいる、霧の揺らぎを見逃すな」と返事を返しながら、ポケットから精霊を取り出す。ノコギリ鉈を腰に下げて右手を開け、即座に精霊を握り締めた左手と共に右手を頭上で合わせた。
“彼方への呼びかけ”とは、元々遥か遠くの星界への交信を行う儀式として開発されたものである。しかしその全ては失敗し、交信を行うことはできなかった。だが儀式に伴う星の小爆発は絶大な威力を誇ったので、“彼方への呼びかけ”は星界の交信ではなく広範囲に攻撃できる術として活用されるようになった、そういった経緯を持っていた。そして今回も、“彼方への呼びかけ”は望まれる効果を発揮した。
狩人の組んだ手の上から小さな宇宙空間が発生したかと思えば、それは直ぐ様爆発を起こし、それに伴う無数の光弾が不可視の敵目掛けて突撃した。
トピック検索 |