立香の手も十分に暖かいですが。そうですね、春の陽だまりのようです。 ( 礼を言われてそれを受け取った後、じーっと強く握られ絡み合った手を何処か満足気に凝視して。彼の人柄を体現したようなそっと包み込んでくる優しい暖かみ。それはまるで凍った心を溶かす、春の温もりのよう。それを噛み締めながら顔を上げて、一歩踏み出そうとして。)