知らぬが仏の争い【現代ファンタジー/日常/戦闘/恋愛/途中参加歓迎/一部人数制限あり】

>24 飯塚様
まぁ、そうカッカしなさんな。スパイだろうが何だろうが、其奴が属している組織よりも甘い飴を出せれば或いは…って例え話だろ？組織が大きければ大きいほど裏切られるリスクは高くなる。それに一々腹を立てて処罰するよりも、上手く使ってやった方が生産的だと思うけどねぇ。
（男だったものを半グレ、半端と揶揄する一方で、自分の属する組織に関しては優秀と評価する彼女に溜息を一つ。彼女の言葉から推理するに、きっと仲間を信じられる純粋な心の持ち主なのだろうと解釈して。仲良しこよしで上手くいく組織もあるにはあるのだろうが、至る所で争いが多発するこの世界においてはごく少数だろう。だからこそ、裏切り者が紛れ込んでいる前提で組織全体を見渡し、こちらの害になる前に甘い飴か、弱みに漬け込んで繋ぎ止める。上手く事が運べば、二重スパイとして仕込めるかもしれない。そこまで思考を進めると、『裏社会』には半端者や半グレを教育する余裕は無いのだろうか、と疑問も湧いてきて。彼女の指す『裏社会』がどの組織にあたるものなのかわからない以上、それを彼女に尋ねることはないのだが。）
何やら熱くなってるとこに水を差すようで悪いけど、アタシに戦う気はない。それに、お嬢ちゃんを傷つけたくはないからね。
（ぐしゃりと湿った音のする方へ視線を向ければ、無惨な姿になった男と赤黒く染まったブーツが目に入る。ブーツの主である彼女へ視線を移すと、余程強い力で握り締めているのか、蒼白になった拳が目にとまって。どうやら、先程の発言で自分が敵と見做されたらしいことを察する。彼女の気が済むまで相手をすることも可能だが、武術を体得している身で全力でやり合えば怪我をさせてしまいそうだと判断して。提案はしてみたものの、のんでくれるかは彼女のみぞ知るところで。攻撃に備えて防御型のぬいぐるみを起動させて。）