匿名 2023-09-07 21:36:05 |
通報 |
「今、ノエル君……」
[主任?]
「あ、あぁ悪い、何でもない……」
思わずぼっとして呟いてしまった、そっと連絡を切ったあとセラさんに向き直る
「………聞こえましたか?ノエル君の本音」
「嘘、?!なんかいってたの?!」
「微かにいってました、録音があるので……えっと、ここです」
繰り返し問題の台詞を再生すればセラさんは「え、?」と小さく呟いた、
「………やっぱり、ノエルは理解しててあんな態度を取ってたの、?」
「計算で動いてることはまちがいない……でしょうね」
問題はなぜ僕達にまで演技をするのか、彼はいつも表面を取り繕って明るく演じていたが少なくとも前よりも減った筈なのに、
「……直接、聞いてみます!!」
「ホープ君?!」
バタンと扉を開けて無線の位置と声の大きさから彼の位置はある程度割り出せる、街中でとんでもなく人が多いことを計算には入れてなかったが彼はその美貌と服装から自然と目線を集めるため問題にはならなかった
「っ、ノエル君!!!」
「あ、ホープ!どうしたんだ?そんな息せききって、」
"いつも通り"な"明るく素直"な彼がそこにいた、根は純粋で素直なのはまちがいないがだからこそ傷付きやすい、自分を無意識に誤魔化してる事が良く伺えた
「君はっ……どうして馬鹿な振りをっ……演技を続けるんですか?!!」
「………質問、なんの話?」
「誤魔化すな!!!!」
「ッ!!!!?」
流石の彼も荒い口調で言われた言葉には驚いたらしい、周りの人だかりも増えている、鬱陶しい、そう思って彼の手をぱしんっとひったくってセラさんの待つアカデミーまで歩を進めた
「もう誤魔化すのはやめてください、で、どうしてですか?」
「……いきやすいだろ?」
「は、?」
「っぷ……あっははっ!!!だってそうだろ?馬鹿っていうレッテルがあれば皆いつか見捨てる、一人で回りを巻き込まず生きていける!……一人になっても気付かないまま生きていけるだろ、?」
「ノ、エル君……」
ノエル君のただただ悲痛な心情がはきだされる、笑って答えていたのに最後は声が震えきっていた、結局、彼は痛みを誤魔化すため、そして周りから見離されるため、結局彼が一番自分を見捨てている考えだった、だから彼は「ばかなふりも楽じゃない」……「痛みをごまかすふりも楽じゃない」なんて呟いてしまったのだろう
トピック検索 |