匿名 2023-09-07 21:36:05 |
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『飴玉』ホプ→ノエ
「くしゅんっ!……」
かわいらしいくしゃみが響く、隣の愛しい少年からだ。
「どうしました?ノエル君、風邪ですか?」
「否定、ちょっと喉がいたいだけ」
それが風邪なんじゃないですかね、という言葉をどうせ言っても納得しないだろうから飲み込んでそっと声をかける
「休んだ方が良いですよ?」
まぁどうせ拒否してくるだろうけれど、分かっていても言ってしまうのだ
「却下、大丈夫だから」
予想通りの返答に苦笑し妥協案を出した
「はぁ……どうせそういうと思ってました、代わりにこれを食べててくださいね?」
ビニールに包まれているビー玉のような青色のありきたりなのど飴だ、スースーして人の好みは別れるだろうが有無は言わせず押し付ける、
「透明がかった青い……球体?食べられるのか?」
少し疑わしげな目線を向けている彼が微笑ましくて笑顔で見つつ美しい青色の瞳を見つめる
「えぇ。これは飴の一種でのど飴と言うんですよ、喉によくて痛みや咳などに効果があります」
相手がおれないことは重々承知だ、ならばサポートに回らねば、迷惑をかけてばかりじゃ居られないから
「ふーん……綺麗だな、これ、ありがと!」
「いえいえ、此方もグラビトンコアやカオスクリスタルの件でお世話になってますから、」
「…そっか、了解」
此方の意思を汲み取ってくれたのか余計な事は言わず笑顔で感謝を告げてくれる相手にひどく心が楽になった、やっぱりお世話になりっぱなしだ、そのまま彼が飴を口に含む、そうすれば困惑したように目を瞬かせた
「っ?!なんかっ、これスースーするっ、?!!」
そういえばハッカははじめてか、凄く困った顔をした彼に軽く解説を入れる
「それはハッカが入っていてすーすーするんです、涼しげでしょう?」
悪戯が成功したようにクスリと笑う、わざとじゃなかったが新鮮な反応が見れたのでよしとしよう
「納得、でもそういうのははやめにいえよな」
彼もクスクスと楽しそうにわざとらしく注意してくる、軽い冗談を言い合えるこの時間は酷く暖かくて優しくて
___大好きだ、ずっと続けばいいのに、そう願ってしまった
「………約束、絶対俺、カイアスにかつから、アンタも頑張って、」
あの飴と同じ、キラキラとした真っ直ぐなまだ幼い瞳を向けてくる、あぁ、敵わないなぁ、僕はふかくそうおもった、少し目を伏せて彼の言葉を胸に刻み混む、ゆっくりと彼の顔を見つめて静かに返事をした
「……えぇ、そうですね、きっと、きっとあらがって見せましょう?」
「勿論」
青い青い飴玉が濡れて溶けてしまわぬように、濁らぬように、側で彼の願いを支えて行けたらな、そう強く決意した
end
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