機関長 2023-08-19 08:24:01 |
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>32 カタリナ様
ヴェロニカ
東京 渋谷第一"ゲート"前 15:40
ふと耳に飛び込んでくる聞き慣れた声に、帰ろうとしていた足を止めて振り向く。其処には人懐こそうな笑みを浮かべる同僚の"魔法少女"─カタリナが立っていた。レイピアを腰の鞘に戻した後、普段の虚ろな瞳が幾分か柔らかくなったように見えなくもない─ヴェロニカは同僚に向けて言葉を返す。
「…カタリナか。ナイトメア処分は私達の仕事だ、仕方ないさ」
先程までヴェロニカの傍に寄り添っていたヴァニタスはいつの間にか虚空へと消失しており、瞳を伏せたヴェロニカは頭に抱く月桂樹の冠に指先で触れた。
>31 エリー様
フォギイ
魔法少女機関【ヴェロニカ】内 15:40
「…あ…?」
心地良い惰眠に身を委ねようとした時、部屋の扉が何度かノックされた。それだけで彼女の身体は即座に休息状態を解いてしまい、ベッドから渋々と言った様子で起き上がる。扉の方へと歩き、ノブに手を掛けた。
「…何だよ、エリーか…何か用か?」
ドアの向こうに居たのは顔見知り程度の"魔法少女"であり、その頭には何故か得意気な表情をした彼女の"妖精"が乗っている。フォギイは不機嫌さを隠す様子もなく、じとりとした眼差しで眼の前の相手を見つめてそう問いかけた。
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